【医学部編入】生命科学講義・細胞の営み④ ~細胞小器官~
どうもこんにちは、タマころです。
なかなかまとまった時間が取れず、ご無沙汰してしまいました。。。
さて、講義再開となる今回のテーマは細胞小器官です。
高校生物でもまず習う話で、比較的馴染みがある単元だと思います。
まず、この小器官なるものを列挙してみましょう。
小胞体、リボソーム、ゴルジ体、リソソーム(ライソソーム)、ミトコンドリア
これらに加えて核そのものや中心体も含めたりします。細かく言うとペルオキシソームというのもあったりします。
本記事では話を簡潔にするため上記5つのみを扱います。
...少し話が逸れますが、僕は高校生の頃、生物の授業でいきなりこういう話が出て完全にアレルギーを起こした経験があります。
でも今振り返ると、これって最初に覚える必要ってあったのかな?と感じますね。
だって、細胞について何も知らない人に「はい、細胞にはこういうものがありますよ」と言われてもねぇ。
でも、細胞が生きる上で必須の装置なのですよね。だから最初に勉強させるわけで。
この辺り、教える側と教わる側にズレがあるように思います。
つまり僕が言いたいことは、確かに覚えること・知っていることは重要だけれども、それ以上に「何のために存在しているのか?」という側面から見なければならないということです。
では、各々について詳しく見ていきましょう。今日は常識的な話ばかりかもしれません。
小胞体(+リボソーム)
小胞体は核膜から連続していて、表面にリボソームの付着した粗面小胞体と付着していない滑面小胞体に分かれます。
粗面小胞体は、核内で転写されたmRNAがリボソームでタンパク質に翻訳されるので、タンパク質の合成の場であります。
対して滑面小胞体は、脂質の合成をしたり、筋肉ではカルシウムイオンの貯蔵、肝臓では薬物代謝にはたらいたりします。
ゴルジ体
小胞体の外側で控えている、袋状の扁平な層板構造をしている装置です。
粗面小胞体で作られたタンパク質は輸送小胞というものに包まれてゴルジ体に運ばれるのですが、そこでタンパク質は色んなことをされます。
具体的には…
・選別(どこに送られるか)
・修飾(糖鎖付加、硫酸化、リン酸化、切断など)
・濃縮
といったことがゴルジ体で起こります。
まあこの辺りはちゃんと理解していなくても、せめてタンパク質の修飾をすることは知っておくといいかと思います。
リソソーム
リソソームはその内部にたくさんの消化酵素を持っていて、タンパク質・脂質・糖なんでも消化します。
まあ役割としてはそれだけです。あとは内部が酸性(pH5くらい)であることを知っていればいいでしょう。
また、これに関連するものとしてエンドソームと呼ばれるものがあります。
エンドソームはエンドサイトーシスしてできた小胞のことですが、こちらもエンドサイトーシスののち徐々に酸性になります。
これは余談ですが、インフルエンザウイルスはエンドサイトーシスにより細胞内に侵入するのですが、エンドソーム内のpHがだんだん低下していってpHが6付近になると「膜融合」というのを起こしてウイルスゲノムが細胞質内に放出されます。
このあたり、ひょっとしたら微生物学との融合問題で聞かれるかもしれないので、発展的ですが紹介しました。
ミトコンドリア
ミトコンドリアは独特の形をしてますね。
まず、内膜と外膜の二重膜になっています。
内膜の内腔はマトリックスを形成し、板状に陥入しています。この構造をクリステと呼びます。クリステを形成することで内膜の表面積は非常に拡大しています。
何はともあれミトコンドリアにおいて大事な事項は
・好気呼吸を行う場であること
・ミトコンドリアDNAという独自のゲノムをもつこと
の2点が主に挙げられます。好気呼吸の詳細に関しては生化学でまた詳しくやります。
ミトコンドリアDNAは、「細胞質遺伝」であること「母系遺伝」であることがよく問われます。
言葉から想像できるかと思いますが、ミトコンドリアDNAは必ず母親由来になる、ということですね。
...はい、という感じで細胞小器官のお話は以上です。
季節的にも一般入試が終わってこれからは編入シーズンに向かうので、それに間に合うよう更新のペースを上げて頑張ります!
【医学部編入】生命科学講義・細胞の営み③ ~細胞骨格~
どうもこんにちは、タマころです。
また更新に間が空いてしまいました(>_<)
予告通り、今日は細胞骨格について勉強しましょう。
細胞って普通、丸や四角く描かれるじゃないですか?
実はあれ、はりがねみたいに型を作ってくれる分子が細胞内に存在して、それによって形が保たれているんですね。
例えば腸にある細胞なんかは、微絨毛とよばれるフサフサしたものがありますが、そういうのも同じ仕組みで形成されています。
まあ当然、本当はりがねではなくて、アクチンフィラメントと呼ばれる分子がその役割を担っているわけですが、このような分子を総称して『細胞骨格』と呼びます。
そして、これは太さの違いで3種類の線維に分類されます。細い順で…
・アクチンフィラメント
・中間径フィラメント
・微小管
となります。
それでは一つずつみていきましょう。
アクチンフィラメント actin filament
後半を日本語にして"アクチン線維"とも言います。
アクチンフィラメントは径が8 nm程と細く、細胞の形態形成や運動に関与します。
具体的にどんな役割をするかというと…
・筋収縮(生理学でまたやります)
・免疫細胞が感染源の方に遊走する運動
・細胞分裂の収縮環形成
・腸上皮細胞の微絨毛の形成
・エンドサイトーシス等における細胞膜の形態変化
などが挙げられます。
まあ、はりがねをぐにゃぐにゃ動かすことによって形を変えたりいろいろ出来るってイメージですね。
中間径フィラメント intermediate filament
"中間径線維"と言ったりもします。
これは径10 nm程で、アクチンフィラメントより少し太くて、細胞や組織の強度を維持する働きを持ちます。
縁の下の力持ち、って感じですかね。
さて、中間径フィラメントで大事なことは、細胞の種類によって存在する分子が違うということです。
上皮細胞には上皮細胞、神経細胞には神経細胞に特有の中間径フィラメントが存在します(ケラチンとか)。
まあでも、医学的には確かに大事なんですが、編入試験での出題率を考えれば、とりあえずそこまで覚えるのは後回しでいいかと思います。
というわけで、本記事では割愛させていただくので、詳しく知りたい方は成書等をご覧ください。
微小管 microtubule
微小管は前述の2つに比べたら割と太いです。径25 nmほどあります。
あ、ちなみに、さっきから径いくつとか書いてますけど、もちろん僕は今調べながら書いてますからね。
不勉強なもので暗記なんてしていません。でもおそらく、サイズの大小とオーダー(2桁ナノくらい)が分かっていれば十分かと思います。
さて、話は戻って微小管についてですが、これはチュブリンという分子が集まって形成されます(同様に、アクチンフィラメントはまんまアクチンという分子が集まってます)。
そして、微小管にはいろいろなタンパク質が結合し、それぞれいろんな働きをします。
その中で特によく出るのが、ダイニン dynein と キネシン kinesinです。
名前は聞いたことがあるのではないでしょうか?これらはモータータンパク質と呼ばれるもので、物質の輸送に関与します。
ダイニンは逆向性(+→-)、キネシンは順向性(-→+)に輸送するという違いがあります。
でもこれ、いつもどっちがどっちだったかごっちゃになるんですよね。
そういう時は、キネシンのキには+が入ってる、とか覚えると良いみたいですよ。
まあというわけで、微小管やこれらモータータンパクは、例えば神経軸索の物質輸送とかに関与しています。
…さて、簡潔に3つの細胞骨格線維について説明していきました。
いかがでしょうか?やはり絵でイメージしないと分かりづらいですよね。
ネット上にこれまた見やすい図があったので、貼っておきますね。
アクチンフィラメントが細胞の周囲にあって、微小管は中央からレールのように放射状に伸びてます。それぞれ細胞の形態形成、細胞内の物質輸送に関わっているという話でしたね。
中間径フィラメントは・・・まあ見ての通りです(?)。
大事なことは、先ほども言いましたが細胞の種類によって違うものが存在する、ということですね(^^;
というわけで、今日は以上になります。
次回は細胞小器官について勉強します!
それでは、また。
数学を勉強するということ
どうもこんにちは、タマころです。
最近TwitterのTLを眺めていると、数学の勉強に関する悩みを多く見かけます。
きっと一年後の試験を見越してのことでしょう。
そのやりとりを見ていると、たいていは「問題を解きまくるしかない(暗記)」というところ話が集約しているようです。
その上で、ではどの参考書を使ったらいいか?という議論になってますね。
まあ、それ自体は真理だと思います。
きっとそれ以外に数学を伸ばす方法はないでしょう。
しかし問題は、それ対する心の持ちようですね。
なんだか皆さん苦しそうに見えます。見ていてこちらもつらくなってきます。
というわけで、本記事では、その辺りに関して僕の思うところを綴っていきたいと思います。
…まず、なんで問題演習をしなければならないのか?ということについて考えていきます。
数学の成績を上げるためでしょうか?
確かに、最終的にはそこに行き着きます。
でも、論理的にその間がかなり飛んでいるような気がします。
人間、目標が遠くにあるとなかなか頑張れません。
だから何事においても、よく言われる話ですが、目標を細かく区切って小さい目標を一つ一つクリアしていくのがコツなんですよね。
数学においても全く同じだと思います。
問題演習をこなす理由は、あくまであと一歩で解けない問題を解けるようにするためです。
チャート式で言えば、コンパス3つの問題を解けるようにするために、コンパス1つ2つの問題の演習をするのです。
もっと高いレベルで例えれば、ある入試問題が解けなかった時に、それが解けるようになるために問題集を当たるわけですね。
…すでに僕の言いたいことは十分に伝わったかと思いますが、さらに身近に感じでもらえるよう、次にゲームで例えてみましょう。
ドラクエやファイナルファンタジーをはじめとするRPGゲーム、ありますよね。
この手のゲームのゴールは、当たり前ですが、ラスボスを倒して全クリすることです。
でも、スタートは1Lv.から始まります。
ここで聞きたいのは、1Lv.のときからラスボスを倒すことを想像しますか?
普通はそんなことは微塵も考えず(そもそもラスボスが誰かわからなかったりする)、ひとまず最初のボスを倒すことに集中すると思います。
それで、最初のボスを倒すのに5Lv.必要だとします。
そうしたら、レベル上げしますよね。
ラスボス倒すのに45Lv.必要だから頑張れと言われても頑張れませんが、5Lv.まで上げろと言われたら頑張れますよね。
…まあ、そういうことです。
そして、本来であれば、最初のボス、小ボス、中ボスは学校の定期テストです。
なので、それを高校三年間クリアし続けていれば、そこそこのレベルにはなっているはずです。
偏差値で言えば60〜65程度でしょうか。
でも、そうではない方もたくさんいらっしゃいます。
そのような場合は、やはり問題集で解きまくる勉強が必要になってくるわけです。
そういった際、もう一点よく議題にあがることがあります。
昔やった単元を忘れちゃう、という悩みです。
ある単元を、ワーっとやっていた時はできたのに、全体を一周したら、あれ?できなくなってる?というやつです。
これの簡単な対処法ですが、以下2つ挙げてみます。
一つは、受験仲間がいれば、彼らと会話をする事です。
お互いが勉強している内容を披露し合うのです。
お互い独立に勉強していれば、普通別の単元勉強しているはずなので、両方が「以前やったな」と思い出すことができます。
もう一つは、宅浪の人向けですが、Twitterで勉強垢をフォローしまくることです。
そうすると、「この問題わからん」みたいな感じで写真付きでツイートする人が必ずいます。
その質問に答える必要はありませんが、せっかくなので一緒に考えてみましょう。
そして、たいてい僕のような教えたがりが回答をしてるので、それを読んで「なるほどぉ」となってください。
もし、質問主が「よく分かりました!ありがとうございます!」とリプを返しているにもかかわらず、あなた自身は理解できなかったら、便乗してさらに質問してみましょう。
きっと教えたがりはあなたにも丁寧に答えてくれるはずです。
そうしていると、自然と自分が今勉強していない単元の復習もできて、忘れにくくなるはずです。
…というわけで、本記事では、数学を勉強する際の心の持ち方について、僕なりの考えを述べてきました。
共感できない方もいるかもしれません。そんな単純な話ではないですしね。
でも、この記事を読んで、少しでも数学に対して気持ちが軽くなってくれたら嬉しいです。
それでは、これからも勉強頑張ってください。
僕も自分の勉強頑張ります!(ちょうど来年の今ごろ国試…😱)
【医学部編入】生命科学講義・細胞の営み② ~細胞接着~
どうもこんにちは、タマころです。
いやぁ、一週間も更新が滞ってしまいました^^;
すみません。
それでは早速、内容に入りましょう。
前回やり残した細胞接着について、今回お話します。
細胞接着の種類
細胞接着には、大きく4つのタイプが存在します。
密着度の高い順に…
・タイトジャンクション
・接着帯(アドヘレンスジャンクション)
・接着斑(デスモソーム)
・ギャップジャンクション
となります。
図解としては、以下のようなイメージになります。
(http://kusuri-jouhou.com/creature2/tokuchou.html)
右のやつは、接着帯と接着斑の拡大図ですね。
特にこのなかで重要なのは、最初と最後の2つ。
タイトジャンクション と ギャップジャンクション
正直なところ、医学的にはこの二元論になりがちです。
細胞間がピチッとくっついているか、ちょっと離れているか。
つまりそういうお話です。
しかし、編入試験的には真ん中の二つも出題されるので、4つの違いは理解しておく必要があります。
タイトジャンクション
先ほども言及したとおり、細胞同士がタイトに結合しています。
そのため、物質がその間を通過できません。
これはいわば、バリアですね。
バリア・・・では、身体でバリア的な役割をする必要があるところはどこでしょう?
そう、身体の表面(消化管の内腔も含む)ですね。
外敵が入らないように、身を守らなければなりません。
もちろんそれ以外にも、細胞の間に物質を通過させないというのは、いろんな利点があります。
ということで、タイトジャンクションは特に上皮細胞で発達しています。
また、この結合にはクローディン claudin やオクルーディン occludin と呼ばれる接着分子が関与しています。
接着帯(アドヘレンスジャンクション)
この結合に間して最も重要なのは、おそらく接着分子がなにか?ということでしょう。
その名も
カドヘリン cadherin
というやつです。
カドヘリンの"カ"はカルシウムCaの"カ"です。それに接着を意味する adhere を足して、cadherin になります。
この名が何を意味するかというと、カドヘリンはCaイオン依存性であることを指しています。
つまり、EDTAのようなCaイオンのキレート剤を用いると、カドヘリンによる細胞接着はバラバラになってしまうのです。
あと大事な分子がもう一つあって、カテニン catenin という物質も関与します。
カテニンは、カドヘリンと細胞質のアクチンフィラメントとを連結させる橋渡しの役割をします。上図では省略されてますが、あの間に存在するというわけですね。
接着斑(デスモソーム)
こちらも接着分子が重要になってくるかと思います。
接着斑、またの名をデスモソームでは
デスモグレインdesmoglein
と呼ばれる分子がその接着に関わります。
デスモグレインもカドヘリンファミリーに属し、やはりカルシウム依存性です。
そして接着帯と同じように、デスモグレインは細胞内の中間径フィラメントと、デスモプラキンという分子を介して連結します。
それで、なんでデスモグレインが大事なのか、なのですが…
それは、ある病気に関わってくるからなんです。
天疱瘡
という病気、ご存知ですか?
細かく言えば色々種類があるのですが、一言で言えば皮膚の自己免疫疾患で、デスモグレインに対する自己抗体ができることによって発症します。
というわけで、医学的にも重要ですので、是非押さえておきましょう。
ギャップジャンクション
ギャップジャンクションはその名の通り、細胞間にギャップがあるわけなんですが、隙間云々よりももっと大事なことがあります。
それは、トンネルがある、ということです。
トンネルがあることで、細胞間で何かしら物質が出入りできるのです。
さながらデパートの本館と別館をつなぐ連絡通路みたいなものですね。
そのトンネルによって、ギャップジャンクションを共有する細胞集団は、機能的に密に連携して働くことができるのです。
そのトンネルを作る分子をコネキシン connexin といい(コネクトしてるからね)、コネキシンが形成するトンネルそのものをコネクソン connexon と呼びます。
そして、いろんな細胞に存在するギャップジャンクションですが、その中で特に有名なのは、心筋です。
というのも、心臓はたくさんの心筋細胞が集まって出来ているわけなのですが、それが同調して収縮できるのは、まさにこのギャップジャンクションがあるおかげなのです!
…というわけで、細胞接着の話は以上になります。
まあこれくらいの事を知っていれば、合格圏レベルの解答は書けるのではないかと思います。
次回は、細胞骨格について勉強します。今回出てきたアクチンフィラメントとか中間径フィラメントとかいう類のやつのことですね。
それでは、また。(^^)/
【医学部編入】生命科学講義・細胞の営み① ~細胞膜~
*注:この講義では分かりやすさを重視するため、内容に若干の不正確さがある可能性があります。
しっかりと学びたいという方は、成書による学習を併せて行うことを推奨します。
どうもこんにちは、タマころです。
ついに、生命科学の連載講義始めます!
今日からちょっとずつ、一緒に勉強していきましょう。
医学部学士編入の生命科学に特化して、その試験範囲を解説するブログというのはおそらく他に存在しないため、需要は少ないでしょうが続けていけばそれなりに価値のあるものになるのではと思っております!
ちゃんと更新が途絶えないよう、僕もがんばります。
さて第一回目の今回は、大きいタイトルは『細胞の営み』とありますが、特に細胞膜に注目しててみていきたいと思います!
細胞膜の存在意義
細胞膜はご存知の通り、細胞を取り囲んでいる膜のことですよね。
そして、これは「半透膜」と呼ばれる構造になっています。ここまでは常識ですね。
では、なんでこのような構造になっているのでしょうねぇ?
当然いくつか理由があるかと思います。
細かく挙げるとキリがありませんが、大きく以下の2つを挙げてみます。異論は認めます。
・細胞外からの物質の侵入を防ぐため
・細胞内外でイオン組成を変えるため
もし大抵の物質を通過させるような膜であったら、有害な物質がどんどん細胞内に侵入してしまうでしょう。
それは困りますね。
反対に、ほとんどの物質を(水すら)通さない膜であったら、たしかに外界の環境からは守られるかもしれませんが、細胞液の濃度管理がむずかしそうです。
これは主に「浸透圧」を意識して言っていますが、そのうち詳しく述べます。
あと、細胞膜上にはたくさんのタンパク質が浮いています。本当にいっぱい浮いています。これらのタンパク質は、細胞が生きていく上でとても重要な働きをします。
また、タンパク質によって作られた孔もあったりします。これのおかげで、ナトリウムイオンなどの電解質やその他の一部の大きな分子が細胞膜を通過できるようになります。
というわけで、細胞が生きていくために細胞膜の「半透膜」という性質が何より重要で、さらにそこにはいっぱいタンパク質が浮いていて、みんなが一生懸命仕事をしてくれているんですね。
細胞膜の組成
高校レベルで言えば、「リン脂質二重膜」ですね。
リン脂質という親水性の頭と疎水性の二本足から成る構造が、お互い足を内側に向けて二層になって膜を形成しているわけですね。
さらに編入試験では、構成成分の細かい名前まで覚える必要があります。あまり出題頻度は高くないような気はしますが。
具体的には…
外側の層には主に、ホスファシジルコリン、スフィンゴリン脂質、スフィンゴ糖脂質が存在し、
内側には、ホスファシジルセリン、ホスファシジルエタノールアミンなどが存在します。
そしてそれらに加えて、若干のコレステロールも混じっています。
ここらの話、さすがに絵がないと分かりづらいと思ったので、北大薬の生化学研究室のWebページにありました図を拝借させていただきました。
(http://www.pharm.hokudai.ac.jp/seika/images/2_research/fig7_link.jpg)
非常に綺麗で分かりやすいですね。
まあ、脂質の組成が上下非対称であることを知っていればとりあえず良いんじゃないでしょうか。
流動モザイクモデル
二層を形成しているリン脂質たちは、横方向には自由に動けます。
なので、細胞膜表面はさながら大海なのです。
先ほども言ったように、細胞膜にはいっぱいタンパク質が突き刺さっているわけですが、それもふわふわ細胞膜上を漂うのです。
また、"脂質ラフト"と呼ばれる、スフィンゴ脂質とコレステロールに富む領域があります。
上の図の青い丸で覆われている領域ですね。
ラフト…つまり"いかだ"ですね。なんともぷかぷか浮いてるイメージが湧いてきます。
脂質ラフトは、膜を介したシグナル伝達や細菌やウイルスの感染、細胞接着になどなど多彩かつ重要な役割を担います。
いかだにしてはやるじゃないか!と感じざるを得ませんね。
細胞間の接着
基本細胞同士はくっついてますね。
だから、"のり"みたいなのがあるわけです。
その"のり"には種類がいくつかあって、それによって細胞間の距離が変わってきます。
しかし、話がぼちぼち長くなってきたので、これについては次回お話します。
それでは、今日はこの辺で。
僕の実践している勉強法を紹介します
どうもこんにちは、タマころです。
受験生にとって、さらにはその先の医学部生にとっても、常に関心事となる
『勉強法』
どんな勉強法が一番良いのか?一番受かりやすいのか?一番効率がいいのか?などなど皆さん悩みが尽きないかと思います。
一番幸せなことは、自分にとって一番合う勉強法を見つけ常にそれを実践でき、それによって良好な結果が得られている状態ですよね。
そういった場合、たとえそれが巷で効率が悪いと言われている勉強法でも、本人が良ければ全然構わないと思います。
つまり、その人にとっての最良の勉強法は、必ずしも効率が良い勉強法とイコールではないわけです。
是非皆さんは、自分に一番しっくりくると感じる勉強法を見つけていただきたいですね。
…さて、僕はというと、とにかく短期集中型です。つまり、効率重視です。
それが本当に良いことなのかを別にして、短期間でいかに目標レベルの水準に達することができるかを念頭においてやっています。
あまり正攻法ではないので、ここでは参考程度になれば良いかなと思い、僕の実践している勉強法の一部をご紹介します。
机に座って勉強しない(暗記系に限る)
これは主に大学での勉強の話ですね。
勉強内容によっては、計算とか文章書くとかが必要な場合は当然紙とペンを使います。
が、そうではないときは基本机に座って勉強しません。
もちろん"立ちながら"というわけではなく、ソファに座ったりベッドで横になりながらとか、自由な姿勢で勉強するという意味ですね。
なので、一般的に想像する勉強スタイル… 筆記用具出して、教科書とノート出して、よしやるか!という勉強は、獣医時代含め大学の勉強では約9年間していません。
もし何かメモしたいことがあったら、それは教科書や講義プリントに直接書き込めば良いのです。
この勉強法の最大のメリットは、勉強開始のハードルが低くなることです。
反対にデメリットとしては、集中力の問題が挙げられると思います。
でも、何かモノを覚えるのにそんなたいそうな集中力いりますか?というのが僕の持論。
まず試験範囲を一通りさらう
勉強し始めで試験範囲の内容がわからない場合、単元全体を一から読み込むことになるわけですが、そのスピードの問題です。
多くの人は、必要以上に時間をかけがちです。
その言い分は大抵「じっくり読まないと理解できないから」というものですが…
では逆に聞きますが、じっくり読んだからといって、そのあと実際に理解できて(覚えて)いますか?
うーん… やっぱり一度ではよく分かってないことが多いかと思います。
正直、早く読んでも理解度はそう変わりませんよ。いずれにしても、よく分からんのです。
理解度を上げるのはあくまで(一人なら)問題演習か(複数人なら)ディスカッションです。
なので、まず教科書を一通り読み込む意義は、"知らなかったことをとりあえず見たことがある"状態にすることです。
これは大きな差です。ゼロがイチになるわけですから。
問題演習によって知識の定着をはかる
前項で話した通り、問題演習で理解度の向上が望めます。
ひいては、知識が定着します。
また、問題が存在するということは、当然誰がその問題を作っているわけです。
問題作成者は、その答えとなる部分が重要だと思っているから出題するんですよね。
と、いうことは、問題を解けば覚えるべきポイントが自ずと分かることになります。
試験範囲を一周勉強したら、二周目に行く前に一度問題演習をしてみるといいかもしれません。
定着しづらい単元は繰り返しインプット
問題演習してても、いつまでたってもよく分からん分野っていうのは必ずあるんですよね。
そういう時は、その分野をとことん勉強します。
その時は、今までとは反対にゆっくりじっくり読むのです。
もし腑に落ちないことがあれば、よく理解している人に質問するのが有効です。
ある程度納得できるようになったら、また問題演習をしてみます。
そうすると、前までと違った景色が見えたりします。
得た知識を誰かに話す(※試験当日を除く)
これは理解力を上げるのに最も効果的な行為です。
でも、注意書きにあるように、試験当日は慎みましょう。
僕は、テスト直前のあの雰囲気が苦手です(-_-;)
…話を戻して、ただ話すだけでは効果が薄くなります。
是非相手に伝わるように話しましょう。
つまり、勉強したことをそのまま喋るんじゃなくて、ある程度自分の頭の中で噛み砕いてから話すと良いです。
例えば、
「レビー小体型認知症は、認知症の原因第2位で、症状としては幻視が特徴的である。進行するとパーキンソン症状が出現する。」
という内容を学習したとしよう。
その際、誰かにこのまんま話してはダメです。きっと相手も何言っているのか分かってくれないはずです。
そうではなく、文脈の前後の知識も補完して、普段の会話と同じトーン、すなわち雑談の中で教えてあげるのです。
こないだ知ったんだけど、レビー小体型認知症ってあるじゃないですか?あれって昔は診断されてなかっただけで実は患者数すごく多くて、今の統計ではアルツハイマーに次いで認知症の原因第2位なんだって。
幻視が見えるのが特徴なんだけど、「座敷わらしがいる」と言ったりかなりリアルな見え方をするらしいよ。座敷わらしという話自体がレビー小体型認知症の人が作ったという説も…
あとレビー小体といえばパーキンソン病があるけど、これはレビー小体ができる場所が違うみたいだよ。パーキンソン病は中脳黒質に病変ができる有名だけど、レビー小体型認知症は後頭葉から始まるんだって。
だから、後頭葉にできたレビー小体が広がって中脳黒質や線条体まで及ぶとパーキンソン症状が出現する、ということのようだよ。
てな感じで話すと、相手も勉強になりますし、自分はもっと勉強になります。
何より、忘れにくくなります。これは、試験範囲が膨大になった際、大きな意義を持ちます。
適度に疑問を持つ
上の話の続きで言えば、「レビー小体ってそもそもなんだろう?」とか疑問を持つといいですね。
その疑問を解決する過程で、さらに理解が深まります。
ただ、気をつけなければいけないのは、疑問を持ちすぎることです。
その姿勢は大変素晴らしいのですが、効率の良さからすると、どうしても取捨選択をする必要があります。
ちょっと疑問に思っても流して受け入れる、というのも時には大切です。
なので、疑問を持たなすぎる方は是非疑問を持って勉強しましょう、持ちすぎる方はちょっとその気持ちを脇に置いて先に進みましょう。
…はい、いかがだったでしょうか?
自分自身の勉強法、今まで深く考えたことありませんでしたが、文章にするに当たって見つめ直すことになりました。
いろいろ書きましたが、本質は"勉強の垣根を下げる"ことにつきます。
勉強は生活の一部です。生きるということは、勉強するということだと思います。
例えば、廃人と言われる競馬場にいるオッチャンも、競走馬に関する知識はすごいですよ。
夢中になったこと、好きなことには、皆勤勉なのです。
もし自身の勉強法がまだはっきりしていかったら、一度真似してやってみてください。
上手くいけば、そこそこ短期間できっと成果が出ると思いますよ。
それでは、今日はこの辺で。
【医学部編入】『生命科学』という教科について どこまで勉強したら良いのか?
どうもこんにちは、タマころです。
僕がブログをはじめて、2ヶ月以上が経過しました。
もともとは、「医学部の編入試験を受ける人の手助けをしたい!」というモチベーションではじめましたが…
twitterを見ると再受験組のほうが圧倒的に多く、季節的な関係もありこれまで"一般入試"寄りの記事をあげてきました。
結果的には、何人か再受験でご相談してくださる方もいたりしてやって良かったですが、センターも終わったことですし、そろそろ編入にシフトしていきます。
ということで、まずは『生命科学』という、漠然とした名の教科について総論的に説明したいと思います!
きっと皆さんが一番気にしているのは、その試験範囲だと思います。
どこまで勉強したらいいのでしょうか?
…まず結論をいうと、やはり明確な試験範囲はありません。
とはいえ、これは選抜試験なので、しっかりと差が出るように作る必要があります。
なので出題者としては、自分たちが"欲しいと思う"編入生像に合わせて問題を作ることになりますね。
分かりやすいところで言えば、北大は物理ができる人、名大は統計が分かっている人、千葉大は英語ができる人が欲しい・・・ など、例を挙げればたくさんあります。
他にも、フルセット型である大阪大や医科歯科大は、純粋に学力が高い人が欲しいんだろうなというのが伝わってきます。
なので、 志望校の傾向に合わせて、もしくは自分の得意分野から志望校を選定して、受験勉強をしていくことになります。
さて、一応大学の募集要項には、試験範囲のようなものは明記されています。
たいていは、「大学教養レベルの生命科学、および1年次に履修する専門科目」的な書かれ方をしているかと思います。
いや、でもそれって・・・^^;
全然試験範囲になってないですよね^^;
てか編入受験生のバイブルだってか?"Essencial細胞生物学"を通読すればいいって、分厚すぎるっすよ^^;
それに加え、基礎的な生理学や微生物学や免疫学も出すって^^;
むwwwwりwwwww
といった具合でしょうか。
そうなんです、無理です。大学側が求める知識をすべて身に付けるのはほぼ不可能です。
でも逆に言えば、ほぼ不可能だからこそ、 編入試験の問題は全部できなくて良いとも言えます。
上の記事で、僕は受験生の2割が知っていることを知っていれば合格できる、と述べました。
きっと、初めて編入試験の過去問を目にしたとき、「げ!何も分からない!」と感じるだろうと思いますが、案外みんなそうです。
なので、それを全部分かるようにする、というよりは、とにかく2割の人が知っているレベルまで知識量を増やすことが重要です。
そしてそのハードルは、決して無茶苦茶高いわけではありません。
では、どのように対策していきましょう?
まず、最も手っ取り早い方法は、やはり某KALSという予備校に通うことです。
そちらでは膨大な試験範囲である『生命科学』を効率よく学習できるようサービスを提供してくれています。
正確な統計はわかりませんが、合格者の占有率はかなり高い(半分くらい)です。
なので近年では、
KALSで勉強すること=比較的多くの受験生ができる
KALSで勉強しないこと=ほぼみんな出来ない(その専門の受験生だけわかる)
という構図になっているような印象を受けます。
そこで、当ブログでは、その2割スレスレのラインを目指して、今後解説講義をしていきたいと考えています。
KALSより情報量は少ないけれど、分かりやすくかつ最小限の努力で合格ラインに達する。
それがコンセプトになります。
具体的には、以下の順番に進めていく予定です。
①細胞生物学
・細胞の営み
・細胞の周期と増殖
・細胞の死と癌化
・シグナル伝達
②分子生物学
・遺伝子に関わるコトバを整理しよう
・DNAの複製と修復機構
・DNAの組換え
・タンパク質ができるまで
・遺伝子発現の調節機構
④一般生理学
・呼吸
・心臓と血液
・腎臓
・消化器
・内分泌(ホルモン)
⑤神経生理学
・神経の伝導
・筋肉
・自律神経
・感覚
⑥微生物学・免疫学
・細菌と真菌
・ウイルス
・自然免疫と獲得免疫
・細胞性免疫と液性免疫
・T細胞のセレクション
・アレルギー
これを目次として、この部分だけ別記事で常にブログのトップに据えてといて、更新したらそこからリンクで飛べるようにします。
それでは次回、細胞生物学から始めます。(その前に別件の記事を挟むかもしれません)
僕も復習しつつ記事を書くことになるので、これから一緒に勉強頑張りましょう!(^o^)/