【医学部編入】生命科学講義・細胞の営み① ~細胞膜~
*注:この講義では分かりやすさを重視するため、内容に若干の不正確さがある可能性があります。
しっかりと学びたいという方は、成書による学習を併せて行うことを推奨します。
どうもこんにちは、タマころです。
ついに、生命科学の連載講義始めます!
今日からちょっとずつ、一緒に勉強していきましょう。
医学部学士編入の生命科学に特化して、その試験範囲を解説するブログというのはおそらく他に存在しないため、需要は少ないでしょうが続けていけばそれなりに価値のあるものになるのではと思っております!
ちゃんと更新が途絶えないよう、僕もがんばります。
さて第一回目の今回は、大きいタイトルは『細胞の営み』とありますが、特に細胞膜に注目しててみていきたいと思います!
細胞膜の存在意義
細胞膜はご存知の通り、細胞を取り囲んでいる膜のことですよね。
そして、これは「半透膜」と呼ばれる構造になっています。ここまでは常識ですね。
では、なんでこのような構造になっているのでしょうねぇ?
当然いくつか理由があるかと思います。
細かく挙げるとキリがありませんが、大きく以下の2つを挙げてみます。異論は認めます。
・細胞外からの物質の侵入を防ぐため
・細胞内外でイオン組成を変えるため
もし大抵の物質を通過させるような膜であったら、有害な物質がどんどん細胞内に侵入してしまうでしょう。
それは困りますね。
反対に、ほとんどの物質を(水すら)通さない膜であったら、たしかに外界の環境からは守られるかもしれませんが、細胞液の濃度管理がむずかしそうです。
これは主に「浸透圧」を意識して言っていますが、そのうち詳しく述べます。
あと、細胞膜上にはたくさんのタンパク質が浮いています。本当にいっぱい浮いています。これらのタンパク質は、細胞が生きていく上でとても重要な働きをします。
また、タンパク質によって作られた孔もあったりします。これのおかげで、ナトリウムイオンなどの電解質やその他の一部の大きな分子が細胞膜を通過できるようになります。
というわけで、細胞が生きていくために細胞膜の「半透膜」という性質が何より重要で、さらにそこにはいっぱいタンパク質が浮いていて、みんなが一生懸命仕事をしてくれているんですね。
細胞膜の組成
高校レベルで言えば、「リン脂質二重膜」ですね。
リン脂質という親水性の頭と疎水性の二本足から成る構造が、お互い足を内側に向けて二層になって膜を形成しているわけですね。
さらに編入試験では、構成成分の細かい名前まで覚える必要があります。あまり出題頻度は高くないような気はしますが。
具体的には…
外側の層には主に、ホスファシジルコリン、スフィンゴリン脂質、スフィンゴ糖脂質が存在し、
内側には、ホスファシジルセリン、ホスファシジルエタノールアミンなどが存在します。
そしてそれらに加えて、若干のコレステロールも混じっています。
ここらの話、さすがに絵がないと分かりづらいと思ったので、北大薬の生化学研究室のWebページにありました図を拝借させていただきました。
(http://www.pharm.hokudai.ac.jp/seika/images/2_research/fig7_link.jpg)
非常に綺麗で分かりやすいですね。
まあ、脂質の組成が上下非対称であることを知っていればとりあえず良いんじゃないでしょうか。
流動モザイクモデル
二層を形成しているリン脂質たちは、横方向には自由に動けます。
なので、細胞膜表面はさながら大海なのです。
先ほども言ったように、細胞膜にはいっぱいタンパク質が突き刺さっているわけですが、それもふわふわ細胞膜上を漂うのです。
また、"脂質ラフト"と呼ばれる、スフィンゴ脂質とコレステロールに富む領域があります。
上の図の青い丸で覆われている領域ですね。
ラフト…つまり"いかだ"ですね。なんともぷかぷか浮いてるイメージが湧いてきます。
脂質ラフトは、膜を介したシグナル伝達や細菌やウイルスの感染、細胞接着になどなど多彩かつ重要な役割を担います。
いかだにしてはやるじゃないか!と感じざるを得ませんね。
細胞間の接着
基本細胞同士はくっついてますね。
だから、"のり"みたいなのがあるわけです。
その"のり"には種類がいくつかあって、それによって細胞間の距離が変わってきます。
しかし、話がぼちぼち長くなってきたので、これについては次回お話します。
それでは、今日はこの辺で。