【医学部編入】生命科学講義・細胞の営み③ ~細胞骨格~
どうもこんにちは、タマころです。
また更新に間が空いてしまいました(>_<)
予告通り、今日は細胞骨格について勉強しましょう。
細胞って普通、丸や四角く描かれるじゃないですか?
実はあれ、はりがねみたいに型を作ってくれる分子が細胞内に存在して、それによって形が保たれているんですね。
例えば腸にある細胞なんかは、微絨毛とよばれるフサフサしたものがありますが、そういうのも同じ仕組みで形成されています。
まあ当然、本当はりがねではなくて、アクチンフィラメントと呼ばれる分子がその役割を担っているわけですが、このような分子を総称して『細胞骨格』と呼びます。
そして、これは太さの違いで3種類の線維に分類されます。細い順で…
・アクチンフィラメント
・中間径フィラメント
・微小管
となります。
それでは一つずつみていきましょう。
アクチンフィラメント actin filament
後半を日本語にして"アクチン線維"とも言います。
アクチンフィラメントは径が8 nm程と細く、細胞の形態形成や運動に関与します。
具体的にどんな役割をするかというと…
・筋収縮(生理学でまたやります)
・免疫細胞が感染源の方に遊走する運動
・細胞分裂の収縮環形成
・腸上皮細胞の微絨毛の形成
・エンドサイトーシス等における細胞膜の形態変化
などが挙げられます。
まあ、はりがねをぐにゃぐにゃ動かすことによって形を変えたりいろいろ出来るってイメージですね。
中間径フィラメント intermediate filament
"中間径線維"と言ったりもします。
これは径10 nm程で、アクチンフィラメントより少し太くて、細胞や組織の強度を維持する働きを持ちます。
縁の下の力持ち、って感じですかね。
さて、中間径フィラメントで大事なことは、細胞の種類によって存在する分子が違うということです。
上皮細胞には上皮細胞、神経細胞には神経細胞に特有の中間径フィラメントが存在します(ケラチンとか)。
まあでも、医学的には確かに大事なんですが、編入試験での出題率を考えれば、とりあえずそこまで覚えるのは後回しでいいかと思います。
というわけで、本記事では割愛させていただくので、詳しく知りたい方は成書等をご覧ください。
微小管 microtubule
微小管は前述の2つに比べたら割と太いです。径25 nmほどあります。
あ、ちなみに、さっきから径いくつとか書いてますけど、もちろん僕は今調べながら書いてますからね。
不勉強なもので暗記なんてしていません。でもおそらく、サイズの大小とオーダー(2桁ナノくらい)が分かっていれば十分かと思います。
さて、話は戻って微小管についてですが、これはチュブリンという分子が集まって形成されます(同様に、アクチンフィラメントはまんまアクチンという分子が集まってます)。
そして、微小管にはいろいろなタンパク質が結合し、それぞれいろんな働きをします。
その中で特によく出るのが、ダイニン dynein と キネシン kinesinです。
名前は聞いたことがあるのではないでしょうか?これらはモータータンパク質と呼ばれるもので、物質の輸送に関与します。
ダイニンは逆向性(+→-)、キネシンは順向性(-→+)に輸送するという違いがあります。
でもこれ、いつもどっちがどっちだったかごっちゃになるんですよね。
そういう時は、キネシンのキには+が入ってる、とか覚えると良いみたいですよ。
まあというわけで、微小管やこれらモータータンパクは、例えば神経軸索の物質輸送とかに関与しています。
…さて、簡潔に3つの細胞骨格線維について説明していきました。
いかがでしょうか?やはり絵でイメージしないと分かりづらいですよね。
ネット上にこれまた見やすい図があったので、貼っておきますね。
アクチンフィラメントが細胞の周囲にあって、微小管は中央からレールのように放射状に伸びてます。それぞれ細胞の形態形成、細胞内の物質輸送に関わっているという話でしたね。
中間径フィラメントは・・・まあ見ての通りです(?)。
大事なことは、先ほども言いましたが細胞の種類によって違うものが存在する、ということですね(^^;
というわけで、今日は以上になります。
次回は細胞小器官について勉強します!
それでは、また。