再受験・学士編入で医学部を目指そう

20代後半、男。獣医学部卒→某国立医学部に編入。 医学部受験情報の発信や編入向けの生命科学の解説をしていきます。編入試験対策の教材作成も考え中。編入に関するご相談は tamakoro1k at yahoo.co.jp (at→@)までお気軽に。

【易しい解説】天然高分子化合物をマスターしよう① 〜糖類編〜

どうもこんにちは、タマころです。

今回から、医学部受験において肝となる天然高分子化合物について、解説講義を連載形式でお送りしていきます。


予め注意事項ですが、この解説ではわかりやすさを重視するので、正確性は若干損なわれてしまうかもしれません。その点ご了承ください。


さて本日は、この単元で一番はじめに出てくる"糖類"について勉強していきましょう^_^




目次


単糖類

糖類って、別名なんていいますか?


炭水化物


ですよね。

これは、炭(素)と水の化(合)物って意味なので、その一般式は
Cn(H2O)n

となります。

それで、n=5の時を「五炭糖(ペントース)」、n=6の時を「六単糖(ヘキソース)」と呼びますね。

まずペントースは、高校化学では核酸に含まれる「リボース」というのがあります。

発展) ヒトが摂取する糖類は六単糖であるから、そこからCを一つ抜かないと核酸の原料にならない。そのため、糖の代謝(解糖系)の途中脇道に逸れてペントースを合成する「ペントースリン酸回路」なるものが存在する。


入試で出るのは基本、六単糖のほうです。

六単糖には種類がいくつかあって、とりあえず覚えておけばいいのは以下の3つ。

特にグルコースはよく出題され、これくらいは構造式を空で書けるようになった方がいいかもしれませんね。後で一緒に練習しましょう。


それで、こいつらの最も重要な性質は還元性をもつということでしょう。まずこれだけでも覚えておいてください。


あと次に大事なことは、3つの形態をとれる、ということです。

まず環状直鎖状という違いがあります。さらに環状がα型とβ型に分かれます。


例えば直鎖状は

(http://www5e.biglobe.ne.jp/~kountei/kagaku38.htm)

こんな感じで、ただ真っ直ぐ並んでます。ポイントは一番上にアルデヒドがあることでしょう。

たがら還元性をもつわけですね。


でもまあ、構造式書けって出題されるのは、だいたい環状の方なんですわ。


というわけで、グルコースの構造式を書いてみよう!


はい、まず六角形を書いて各頂点に縦棒を入れます。このときの注意は右上をOにするのを忘れないことです。

次に左上から書き始めます。上側にCH2OHと書いて、下側にHと書いてください。

そしたら反時計回りに、HとOHの位置が交互に来るように書き加えていきます。最高右端はまだ書かないでください。

ここからがちょっと面倒です。先ほど話したα型とβ型で、HとOHの付き方か変わってきます。

この図の通り、OHが下側に来るのがα型、上側に来るのがβ型になります。


これ、ごっちゃになりやすいんですが、例えばこうやって覚えてください。

この手は、糖の結合を考える上で大事なOH基を表しています。
それぞれに1, 4と数字が振っておりますね。これは炭素の番号で、単純に右端から時計回りに1,2,3,4,5,6となってます。

この絵では、彼の左手が1番、右手が4番の炭素ということになります。



それで、また後で出てくるんですが、αグルコースが連なると「デンプン」で、βグルコースが連なると「セルロース」になるんですよ。

それを知った上で…

α型同士がくっつけば、こう

β型同士がくっつけば、

となるのは容易に想像できるので、どっちがαがβかは間違えなくなります。



あと細かいことをいえば、フルクトースだけケトン基を持っていてちょい仲間外れなんですが、ひとまずスルーしてOKです。

いずれにしても、皆さん還元性があります。



二糖類

二糖類はその名の通り単糖が二個くっついたもので、

の4つがあります。

基本、グルコース+何か、という組み合わせです。


これはエーテル結合でくっついているのですが、この糖同士のエーテル結合を特別に「グリコシド結合」と呼びます。

1番の炭素と4番の炭素につくOHが結合したとすると、「1,4-グリコシド結合」なんて言ったりもします。


さて、上記の覚え方としては、「グルグル丸(マル)くなる」という語呂でマルトースを覚えて、βグルコースが連なってセルロースになることを知っておけばセロビオースはOKで("ビ"は2という意味)、ラクトースガラクトースの"ガ"が取れただけ、残った組み合わせのフルクトースがスクロールになる で完璧ですね。


それで、絶対に知っておかなきゃいけないのは、一人仲間外れがいることです。

それは、スクロースだけ還元性をもたないということです。


還元性をもつためには、片方の糖の1番(フルクトースは2番)の炭素がヒマになってなきゃあかんのですが、スクロースではどちらもその部分が結合してしまっているのです!


(http://keirinkan.com/kori/kori_chemistry/kori_chemistry_2/contents/ch-2/3-bu/3-1-1.htm)

構造式で見ると、こんな感じです。
この通り、還元性を示せる部分が両方とも埋まっちゃってるんですよね…

他のやつらは、ペアの片方の一番の炭素が空いてるんで、そこで還元性を示せます。


はい、これで二糖類はだいたいOKです!



多糖類

多糖類は、先ほどお見せした

こいつらのことですね。


上のαグルコースが連なったものを、ザックリと「デンプン」、細かく言うと「アミロース」または「アミロペクチン」と言います。

下のβグルコースが交互にひっくり返って連なったものを「セルロース」と言います。


アミロース」と「アミロペクチン」の違いは大丈夫ですかね?
「アミロペクチン」の方が1,6-グリコシド結合(下図)が多くて、粘性が強いです。もち米の主成分になります。


そして「セルロース」は、植物の細胞壁を構成してますね。


なお両方とも、還元性は示しません


発展) デンプンはαグリコシド結合、セルロースはβグリコシド結合しており、ヒトはαグリコシド結合を切断する酵素を持っているが、βグリコシド結合は切断できないため、野菜を食べてもセルロースは分解・吸収されず腸管内に留まる。これが腸管側の浸透圧上昇に寄与し、結果便通が良くなる。


ということで、多糖類は知識的にそこまでしんどくないのですが、計算問題でややこしいのが時折出題されます。

これについては、問題集で対応してもらうしかありません。が、最悪よく分からないままでも構わない気もします。

苦手意識を強く持つくらいなら、そこはサッパリ諦めて、他の箇所で頑張れば良いのですよ。


そうそう、あとデンプンには「ヨウ素デンプン反応」という、紫色に呈色する反応がありますね。

これは、デンプンのらせん構造の中にヨウ素がトラップされることで色が着くそうです。

デンプンの種類によって若干色が変わるのですが、ひとまずこの反応の存在をしっかりと意識しましょう。





…はい、今日のお勉強は以上になります。

いかがでしたか?
天然高分子って、思った以上に簡単でしょう!?


次回はアミノ酸について解説します!
乞うご期待を^_^