【医学部編入】生命科学講義・シグナル伝達④ ~チロシンキナーゼ受容体~
どうもご無沙汰してました、タマころです。
今回はシグナル伝達のラスト、チロシンキナーゼ受容体について触れていきたいと思います。
まあこの受容体、編入で登場するなら十中八九インスリン受容体です。
はい。つまり、
インスリン受容体=チロシンキナーゼ型
ということを知ってるだけで、穴埋めとかで点が取れちゃう場合もあります。
ちなみに、他にはRas系やサイトカイン受容体が挙げられますが、出題頻度は低めでしょう。
それで、チロシンキナーゼ受容体ではどのようにシグナル伝達していくのでしょうか?
まず、形が重要です。あと、受容体にリガンドがくっついてからの動きも大事です。
このあたり、いい図が見つからなかったのと、その動的な部分を伝えたいことがあって、以下外国の方のユーチューブ動画を貼り付けました。
定期的にぼやけるんでちょっと見づらいのですが、つまるところ、リガンドがくっつくとチロシンキナーゼ受容体は近づいて二量体を形成して、お互いのチロシン残基のOH基をリン酸化しあって、それによって下流にシグナルが伝達していく、ということです。
分かりましたかね?
……
あ、終わっちゃいましたね今日のお話^^;
しかし動画ってすごいですね。今回初めて参考資料として利用させていただきましたが、文字に起こすと結構説明が大変なことも、一発。
百聞は一見にしかずって感じですねぇ。
さて、とはいえこれで終わりでは寂しすぎるので、いくつか補足いたします。
まず、インスリン受容体の場合が特殊なのかちょっとわかりませんが、先ほど「お互いのチロシン残基をリン酸化する」と書きましたが、自己リン酸化も起こるようです。
さまざまなウェブページを参照すると、どうも自己リン酸化がメインのような書かれ方をされていますが、https://www.jstage.jst.go.jp/article/geriatrics1964/36/11/36_11_776/_pdfによると、"トランス"のリン酸化が主であると述べられています。
どちらが本当なのでしょう?詳しい方がいたら教えていただきたいです。
あとは、動画内でなにか青い色のした物質がリン酸化部位にひっついてましたよね。あのひっついている青い物質側のくぼみの部分をSH2(src homology 2)ドメインと呼びます。
つまり、SH2ドメインを持つタンパク質は、活性化した(リン酸化された)チロシンキナーゼ受容体にくっつくことで自分がリン酸化されて、活性化状態になるわけですね。
そうやって、今度はそのタンパク質が下流にシグナルを伝えていきます。
この2点くらいでしょうか。
まあ、細かいことを言えばまだ知るべき事項はあるのですが、チロシンキナーゼ受容体そのものに馴染みがない方も多いでしょうし、今日はこれくらいの説明にとどめます。
次回からは分子生物学というくくりになりまして、ざっくり言うと遺伝子に関して勉強していく予定です。
引き続き、よろしくお願いします。