医学部学士編入試験の志望動機等を書く上で気をつけたいこと②
では前回の続きです。
まず、どのような手順で構想を練っていくか、というところからお話しましょう。
最初にやることは、当たり前なことですが志望校のアドミッションポリシーを読むことです。
まあ編入の場合は、どの大学も多様性をうたっていて、それにプラス各大学で特色を出してる感じになります。
特色といっても、たいてい研究か地域医療のどちらかですね。
次にやることは、自分の何をアピールするか、です。
ここで気を付けなければならないのは、多くのアピールポイントを詰め込まないことです。
字数的な問題もさることながら、ポイントが定まってないと読む側は非常に理解しづらいものになってしまいます。
なので、できれば一点、多くても二点まで絞っていきましょう。
おそらく20余年生きてきた皆さんにとって、アピールできるポイントはいくつか思い浮かぶだろうと思います。
そこで、どのトピックを選んでいくかが非常に今後を左右するわけなんですが、それではその考え方・流れみたいなものを以下提示していきますね。
まずは、一番他人に自慢できることから考えてみてください。
それはスポーツや芸術など勉強と関係ないことでもいいと思います。とにかく他人が聞いておお!となることであれば何でもいいでしょう。
もしそれがとても強烈なものであれば、それを志望動機に盛り込んじゃいましょう。医師を志したきっかけがそれとは全然関係ないことであろうと、最低でも肉づけにはなるはずですので。
編入試験は、ある程度目立つということは重要になってきますから。
まあそんな"強烈"までいく人は稀でしょう。そんな方は、そのアピールポイントが医師を志す理由につながるかを考えてみてください。
つながるのであれば、それが本当の志望動機かどうか別として、それを軸に書き進めるのが吉だと考えます。
さて次に、そもそも他人に自慢できるようなものなんてないよっていう人は、ここで純粋に自分が編入を決意した理由を思い出してください。
しかし残念ながら、これはなかなか編入試験的に難しいことが多いですね。
ようは、再チャレンジだったり現職が微妙(パワハラ職場・給料が安い)だからだったり研究職に頓挫したりだとか。
そういった場合はこの段階はスキップになりますが、もしかなり全うな理由がある場合は、当然これを軸に書き進めていきましょう。
オリジナリティはあるはずですし、その熱い想いは伝わるはずです。
最後に、他人に自慢できることも全うな志望動機もないよという、おそらく一番多数派の方々はどうしていくか。
これは前回の記事で上げた各グループで考え方が変わってくるかと思うので、それぞれ分けて説明していきます。
①非生命系出身
やはり、こじつけでもいいので自分が専門でやってきたことを医学・医療を結びつけていく作業になってしまうかと思います。
でも、前回のNG集でも挙げたように、こじつけが過ぎると「はぁ?何言ってるんだこの人?」となりかねません。
ここは慎重に考えていきましょう。
例えばよくあるのは、工学系であれば心臓の生理と絡める、文系であれば地域医療と絡める、帰国子女であれば国際的な活躍、といったところでしょうか。
これであれば無理のない動機にはなるのですが、一つ難しいのは、あるあるだからこそ差別化を図るところかと思います。
これには、是非多くの時間を割いてください。
時には他人にアドバイスを求めたり、自分がなぜ編入試験を受けたいと感じたのか?という当初の想いを思い起こしたりして、オリジナリティにこだわって考えてみましょう。
そこがクリアできれば、あとはアドミッションポリシーと照らし合わせて志望動機を練り上げていけば良いです。
②生命系・非医療職出身
おそらく一番書きやすいグループです。比較的差別化も図りやすいです。
生命系といっても幅が広いのでそんなに内容が被ることもありませんし、素直に自分が勉強してきたことの中で医学・医療につながるであろうことを軸に添えて書き進めましょう。
もちろん理想は研究で扱った事項を絡めることですが、あまりつながらなさそうであれば学部生で学んだことや経験したことの中からチョイスしても悪くはないと思います。
いずれにしても、最初医療系に進まなかった人間が医者になろうと決意するんですから、何かしら想うところあったわけですよね。
③医療職出身
ここに含まれるのは主に、薬学、看護、臨床検査といったところでしょうか。なかなか曲者です。
いかんせん医師と近い立場にいるからこそ、見る側の目も厳しくなりがちだし、何よりこのグループが最も受験者層として多いことになるはずですから差別化が非常に難しいです。
最悪差別化にこだわらなくても、持ち前の知識と経験で筆記を突破して、二次試験をそつなくこなすというのもありだとは思います。
でも、合格のために万全を期すなら、やはりオリジナリティを出すに越したことはありません。
さて、この方たちで最も恐れるパターンは「君のやりたいことって、医師免許必要なの?」という言葉でしょう。
……
あああああああああああああああああああああああああああああ
もうやめて!医療職出身のライフはゼロよ!って感じですよね…
これはきっと、医療職から編入を目指す人にとって最大の悩み・最大の関門かと思われます。
実際僕は医療職でなかった人なのでそんな僕が言うのは説得力に欠けるかもしれませんが、ここで一つ言わせていただきます。
そのスキルに固執するのはやめませんか
もしその職業の経験の中でとてもオリジナリティのあるイベントに出くわしたのであれば、それをネタにして書くのは何も悪いことはないのですが。
非常に残念なことですが、だいたい薬剤師や看護師がどんな仕事をして、どんな限界やどんな不満を抱いているかというのは、試験官側は知った気になっています。
「いややつら(医師)は何もわかっていない!俺が医者になって変えてやるんだorもっと患者によりよい医療を提供するんだ」と意気込んでも、なかなか理解されづらいというのが現状かと思います。
なので、結論としてそれに固執しないという手もあるんじゃないかな、というあくまで提案です。
全く仕事と絡めてはならない、と言っているわけではありません。とにかく、20余年生きてきた中できっとimpressiveな出来事はあったはずです。
その貴重な経験を、多様性を求める大学側のアドミッションポリシーと照らし合わせて、「私を取ったら良いことあるよ」といった風にアピールしていくのが近道なのかなと思ったりします。
とはいえ、何度も言いますが僕も素人なので、最終的な判断はお任せします。
…まあというわけで、僕から伝えられることとしては以上になります。
最後に全体を通して大事なことを言うと、絶対に他人に見てもらってください。
そして、いったん寝かせてみて、数日後に読み返してみてください。読み返してみると、たいていストーリーとしておかしなところがあったりするので、そこを直してください。
そしてそれをまた誰かに見てもらってください。
余裕があれば、この作業を3回繰り返してみましょう。
そうすれば、どんな志望動機で書いたって、大抵合格レベルのものには仕上がるんではないかと思います(結論これ)。
はい、では、そんな感じです。
もし僕でよければ見ることも可能ですので、悩んでる方は是非相談どうぞ。