【医学部編入】生命科学講義・神経生理学① ~神経細胞の構造~
どうもこんにちは、タマころです。
更新がまた長くあいてしまって、すみません。
正直に言うと、8月上旬は夏休みしてました。
個人的には、8月下旬から9月にかけてがブログを書く時間をまとめて持てるラストチャンスだと考えているので、この一か月半ちょっと頑張りたいです。
さて、今回からは読者からのご要望がありまして、神経生理学という分野を先に勉強していきます。
まあ"神経生理学"とひとくちでいっても、かなり広い学術分野を指しますので、ここでは編入試験で比較的問われやすい部分に焦点を当てて解説していきたいと思います。
具体的には、「発生学」や「神経解剖学」に関連する部分は、おそらくほとんど出題されないのだろうと思います。
仮に出題される場合は、リード文が丁寧であるか、そうでなければもうできなくても結構です(他の受験者と差がつきません)。
というわけで!そこを排除するとなると、ピックアップすべきは...
・神経細胞の構造
・静止膜電位の形成
・活動電位の発生
・興奮の伝導と伝達
あたりになろうかと思われます。
それでは順番にやっていくとして、今日は『神経細胞の構造』について!
早速ですがまあなんといっても、まずは絵を見るのがはやいのです。
http://physicalsupportnagoya.com/article/54913861.html
はい。ご承知の通り細胞体があって核があって、樹状突起があって軸索があります。
ところで、樹状突起と軸索っておなじ細胞体から"にょきにょき"と伸びたものですが、別物なのでしょうか?
これらがどう形成されるか、考えたことありますか?
...まあ、役割が全く異なるので(インとアウトですからね)この状態ではどう考えても別物でしょう。長さも全然違いますし。
ただ、もともと神経細胞が発生する段階では、どれも同程度の長さでにょきにょきと突起が伸びていき、その後何かしらの作用によって一つだけ選ばれて、それが立派に長くなっていき最終的に軸索となるようです。
詳しいメカニズムは知りませんが、なかなか面白いですよね。
ちなみに、樹状突起で情報を受け取って軸索に興奮が伝わり、軸索から次の神経細胞の樹状突起に情報が伝達されるんでしたね。分かっておられるでしょうが念のため。
さて、上の図ですが、あえて軸索のところが細くてなにも描かれていないものを選びました。
というのも、みなさまの中では"髄鞘"とよばれるものが巻いているイメージが結構強いのではないかと想像します。
実際のところ、髄鞘が巻いているものと巻いていないもの、巻いていても髄鞘を形作る細胞は部位によって違ったりします。
そのあたり表にまとまったものを拝借してきたので、以下に示します。
http://oikomarenaika.seesaa.net/article/394762113.html
この表はめちゃくちゃ大事です。
半ば常識ですが、有髄神経は無髄神経に比べ伝導速度が速いです。
その理由は、当然ながら跳躍伝導があるからです。この跳躍伝導については後でまた話します。
そして、有髄といってもその髄鞘すべてがかの有名なシュワン細胞で作られているわけではなく、中枢神経系では希(乏)突起膠細胞によって形成されます。
この事実は、常識だと思っている人とそうでない人(高校生物の知識で「髄鞘=シュワン細胞」の刷り込みがある人)で認識が結構分かれるところですので、このブログを読んだ方は確実に覚えていてほしいところです。
現行過程の高校生物で上記のような一対一対応をしているとは思えないですが(手元にないので確認できていません)、いまだに「髄鞘=シュワン細胞」のイメージは根強いのではないかと思われます。
といった感じで、『神経細胞の構造』としては以上となります。が、先ほど後で話すといった「跳躍伝導」について、少し考えてみたいと思います。
跳躍伝導だと速い
これ、常識ですよね。でも、どうしてですか?と聞かれて答えられますか?
児島「なんでだよ!そんなの飛び飛びだからだよ!みんな高校で習っただろ!」
という声が聞こえてきそうです。あ、児島というのはアンジャッシュの児島のことです。ネタがわからない人はごめんなさい。
上記の理由が、あたかもさも当然正しいかであるように教わり皆それを信じていますが、しかしなぜ「飛び飛びだと速い」って言いきれるんですかね?
よく考えてみると、たしかに速そうな気はするけれど、そんな根拠はどこにもないはずなんです。
だから、本当は別の理由があるわけですね。
長くなってきたのでいったんここで切って、次回(一応)正しいと言われている理由をお話したいと思います。