【医学部編入】生命科学講義・DNAの複製② ~複製フォーク~
どうもこんにちは、タマころです。
まともにブログが更新できず、7月が終わりそうです。。
さて、今日はDNAの複製と修復機構の続きとして、複製フォークについて勉強しましょう。
まあ、その存在自体は有名ですよね。高校時代、生物取ってなくても知っているレベルだと思います。岡崎フラグメント、そんなんあったなぁって。
編入試験としては当然ただ知っているだけでは不十分で、「複製フォークとはなにか?」と問われて空で答えられるくらいが理想です。
そこまでいかなくても得点するうえで重要なことは、登場人物をしっかり把握しているか、ということでしょう。
それでは早速、以下の図をご覧ください。
(http://y-arisa.sakura.ne.jp/link/yamadaka/animal-cell/gene/replication.htm)
これがまさに複製フォークですね。
まず赤字で書かれているところに注目すると、リーディング鎖とラギング鎖とあります。
これはさすがにご存知ですね。前回のポリメラーゼの記事で説明した通りDNA複製は5'→3'の方向にしか進まないので、片方は一本できれいにビーって複製されていくのですが(リーディング鎖)、向きが反対になってしまうとそうはいかず途切れ途切れの鎖になってしまいます(ラギング鎖)。
それで、このラギング鎖で形成される複製DNA断片を岡崎フラグメントといいますね。まあこれも常識でしょう。
あとラギング鎖で重要なのは、プライマーが必要だということです。プライマーは短いRNA断片で、これを手本にDNAポリメラーゼは複製を開始できるのです。
なお、RNAであるプライマーはすぐさま分解されて、その部分はDNA鎖に置き換えられます。
さて、ここまでは基本事項で、この先の登場人物が編入試験的には問われうる箇所になってきます。
このDNA複製という一連の流れで登場する順にご紹介していきます。
まず最初は、トポイソメラーゼという名の酵素です。
あいにく上の図には描かれていないのですが、この酵素によってはじめにDNAの「ねじれ」が解消されます。
(http://kusuri-jouhou.com/creature2/reproduction.html)
DNAを複製するにはらせん構造をほどかないといけないわけで、トポイソメラーゼなしにはそれは不可能ということです。
一本の二重らせん構造というのは理論上絡まることはないらしいのですが、現実にはDNAは非常に長い分子になるので両端が固定されてしまい、局所的にはゆがみやねじれが発生してしまうようです。
次に、ヘリカーゼという酵素です。
こちらは図に描かれていますね。DNAのらせん構造を巻き戻す役割をしています。ようは二本鎖DNAを一本鎖DNA×2の状況にしてくれているわけです。
あとはリガーゼですね。
リガーゼは名前のまんまです。英語にするとligase、つまりligateする酵素です。
ligateは「結ぶ」とか「くっつける」っていう意味の単語ですね。
図の通り、前後の岡崎フラグメントをくっつけます。こうすることで、ラギング鎖も最終的には一つの長い鎖になることができるのです。
というわけで、知っていなければならないのはこんなところでしょうか。
最近は高校生物でも詳しくやるでしょうし、編入試験では今日お話したあたりは常識としてもっと細かい分子メカニズムが出題される可能性があります。
その場合にしても、ここに書いてある内容が頭に入っていないと先に進めないので、もしあまり理解しきれていないという方は今一度よく確認して、その上でより細かい話に手を付けましょう。
では、次回はテロメアについて勉強します。