【医学部編入】生命科学講義・シグナル伝達② ~Gタンパク質共役型受容体~
どうもこんにちは、タマころです。
では前回の続きでGタンパク質共役型受容体について勉強しましょう。
まずこの受容体は細胞膜にあって、7回膜貫通していることがすっごい特徴です。
それゆえに、別名で7回膜貫通型受容体と呼ばれたりもします。
まあ百聞は一見に如かずということで、ネットで拾った図を以下に示します。
(http://kusuri-yakugaku.com/pharmaceutical-field/pharmacolory/receptor/membrane-receptor/gpcr/)
たしかに7回細胞膜を貫いてますね。
そして何より重要な構成要素になるのが、細胞の内側にある青いやつです。
これがGタンパク質なのです。
しかし、Gタンパク質の"G"っていったい何でしょうか?
これはあえて長くいうと、GTP結合タンパク質といいます。普段はそれを略しているわけですね。
なのでこの"G"はGTPのことなのです。
というわけで、このGTPというのが今回のシグナル伝達のキーファクターとなるんですよ。
上の図のようにGタンパク質は3量体を形成して、αβγという名のサブユニットに分けられるんですが、そのうちのαサブユニットにはGTPまたはGDPが結合しています。
GDPとはGTPのリン酸基が一個とれたものですね。念のため。
それで、普段はαサブユニットにはGDPが結合していて不活性化状態なのですが、その受容体にリガンドがくっつくとGDPが遊離して代わりにGTPが結合して活性型になります。
その結果、αサブユニットは立体構造が変化してβγサブユニットから遊離し、独り立ちします。そして、ほかの酵素の活性を修飾します。
これが、Gタンパク質共役型受容体にリガンドが結合した際に起こる一連の反応です。
では、この受容体には例えばどんな種類があるのでしょうか?
まずはじめに断っておきますが、死ぬほどたくさんあります笑
前回の記事でも言いましたが、いちばんメジャーなシグナル伝達系ですので…
その上で超代表格を挙げれば、やはりアドレナリン受容体でしょうか。
かの有名な、緊迫した場面とかで「アドレナリンが出てるから大丈夫」とかいうあれですね。
なんと困ったことに、実はアドレナリン受容体と一口でいっても、その中でいくつか種類があるのです。
たとえばα1受容体とかβ2受容体とかいったりします。なお、このαβは先ほど出てきたGタンパク質のサブユニットとは関係ありません。
それで、α1受容体がどこに発現してるとかは、それは医学部に入ってからやる内容なので編入としてはそこまで勉強しなくていいのですが、いかんせんそれぞれでGタンパク質の種類も違かったりしてそこは問われる可能性があるのです!
そうなんです!Gタンパク質にも種類があるのです!(がーん
具体的には、
Gs Gi Gq
と主に3種類あります。
それぞれを簡単に説明していきますと…
Gsのsはstimulate(刺激する)の頭文字で、興奮性のシグナル伝達を行います。
Giのiはinhibit(抑制する)の頭文字で、こちらは抑制性のシグナル伝達を行います。
Gqのqは由来不明(がーん)で、上記二つとは異なる伝達をしていきます。
じゃあそれぞれどのような機序で興奮させたり抑制させたりするのでしょうか?これについては次回説明していきます。