あけましておめでとうございます
あけましておめでとうございます!
本年もよろしくお願いいたします。
ブログをはじめて、2ヶ月弱。
スタイルもだんだん安定してきて、はじめに比べれば読みやすいものになってるかなぁと勝手に思ってます。
記事数も大切ですが、コンテンツにこだわってこれからも頑張っていきたいです。
今年の目標は…
①まずブログを続けること
②Google検索で「医学部 編入 ブログ」と打てば、1ページ目に出てくるようになる
ですかね。
あとプライベートでは、来年度は6年生になるので勉強頑張りたいです笑
今後の予定としては、近いうちに生命科学の講義形式を長期シリーズ化してやっていくつもりです。
タイミングとしては、1月中にはスタートして、次の編入シーズンに十分に間に合うように、G.W.までには終わらせられるように考えています。
まあ、合間にはちょこちょこネタ的な記事も挟んでいきたいですね。
いずれにせよ、あまり考えすぎないよう気楽にやっていきます。
今後とも、タマころのブログをよろしくお願いします^_^
【数弱克服】MAX偏差値87が考える数学が苦手な人向けの数学の勉強法① 〜タマころの数学史〜
どうもこんにちは、タマころです。
数学って、得意不得意がすごく分かれますよね。
僕も家庭教師とかやってたりして、数学を伸ばすのが一番難しいなぁと感じています。
でも理系の受験、特に医学部受験においては、数学ができるとできないとでは、全体の勉強量が大幅に変わりますよね!
というわけで、数学が苦手だなーと感じている人向けに、ちょっと数学の勉強法について考えていきたいと思います^_^
まず第一回目の今回は、導入ということで僕の経験談をメインに話させていただきます。
どうして、数学が得意教科になったのか?
その前に、タイトルにある偏差値87というのが一応本当であることをお示ししときますね。
写真がかなりブレてて非常に見づらいんですが…
これは、高3の駿台大学別実戦模試の結果です。
どこの大学かは、一応伏せときます。
数学の偏差値を見ると、なんとか87.8と書いてあるのが読めますね。
…それで、まず僕が中学生の頃まで遡りますが、当時は数学が得意だという意識はありませんでした。(参考までに、中学受験時の算数の偏差値は50前後でした)
可もなく不可もなく、ただ学校で習ったことを勉強してましたね。
それが、あるとき一つ目の転機が訪れました。
中3くらいだったかと思います。
学校で一番成績の良かった友達から、「微分積分って知ってる?」と声を掛けられました。
もちろん、その時僕は知りませんでした。
彼は言いました。
「微分って言うのを使うと、二次関数の接線が一瞬で求められるんだよ」
当時、ちょうど数1の二次関数をやっていて(中高一貫だったため、中学数学は中3の途中で終わってすでに高校数学に入っていた)、面倒くさい接線の求め方を習ったばかりでした。
その方法を、彼は教室の黒板を使って説明してくれました。
僕は、よくわからないけど、これは確かにすごい!と感じて、家に帰ってひとまず微積の入門書を読んでみることにしました。
当時の僕には難しかったですが、本当に易しく書いてある本だったので、なんとか理解することができました。
そしてその後、その友人と、お互い学んだことを議論し合う、ということを度々行いました。
この一件は、学校での勉強を自主的に学んだ初めての経験になりました。
その甲斐もあって、大して得意でなかった数学の成績は、高校1,2のとき模試を受ければ偏差値65程度は取れるようになってました。
ただ、"得意科目"というにはまだ物足りない感じはしていました。
そして高2の冬、二度目の転機が訪れました。
DQNだけどすごく仲の良かったある友人と、本屋で参考書漁りをしていたところ、『月刊 大学への数学』という本が目に留まりました。
僕は、この本の存在は知っていましたが、僕には縁の無いものだと思っていました。
レベルが違いすぎて。
でも、一緒にいた友人が「買ってみたらー」と、軽い気持ちで勧めてきました。
僕は、まあ難すぎて意味ないっしょ、とか思いながら、たしかその時3月号だったかを購入しました。
僕は家に帰ってその本を開いてみました。
そしたら、数学の問題だらけだと思ってたらそんなことなくて、意外と読み物系が多く、楽しく読み進めることができたのです。
"ある程度のレベルに達していれば"という条件つきなのでしょうが、目からウロコな、知らなかった解法とかアプローチの仕方が書いてあって、おお!という気持ちになりました。
高3になってからは、巻末の「学力コンテスト」というのを解き始めました。
学力コンテストというのは、毎月6題あって、問題の下にある余白に直接解答を書き込めて、それを郵送すると採点されて帰ってくるというものです。
さらに、成績優秀者は翌々月号で名前が載ります。
こうなってくると、燃えてきますね。
この時の感覚としては、テレビゲームをやってるのとほとんど同じ感覚でした。
ゲームと違ったのは、やればやるほど大人が褒めてくれるところ。
みんなが解けない問題を、自分は解ける。
と同時に、世の中には、自分がどう足掻いても思いつかない解法で、エレガントに解いてくる輩もいる。
ある種、スポーツをやっている状況にも似ていたかもしれません。
とにかく、目の前の強い敵(難易度の高い問題)を倒す。倒せなかったら倒せるようになるために練習(演習)する。
そういう日々を送るようになりました。
その結果、模試では偏差値75くらいがアベレージになり、良い時は偏差値80を超えるようになりました。
…てなわけで、そろそろ締めに入りますが、この記事で僕の経験談を通して言いたかったことは、数学が得意な人と苦手な人で何が一番違うのか、ということです。
それは、ありきたりですがやはり演習量の差です。しかも良質な。
全員がそういうわけではないでしょうが、得意な人というのは概して、ただ強い敵を倒す快感を得たい、という動機付けがあって、結果多くの演習量をこなしていることになります。
これは例えば、義務感で「よし、黄チャート2周するぞ!」というように考えてる人ではなかなか達せない境地かと思います。
さて、次回からは、苦手意識を感じている人がどうやって質の高い演習量を増やすか?というのを一つの軸にして、話を進めて参りたいと思います。
では、今日はこの辺で。
【易しい解説】天然高分子化合物をマスターしよう④ 〜核酸〜
どうもこんにちは、タマころです。
久々の更新になってしまいました(^_^;
これで高分子化合物シリーズが終わるので、今後はまた更新のペースを上げていきたいですね。
目標は二日に一記事!
↓高分子シリーズこれまでの記事↓
tamakoro.hatenablog.jptamakoro.hatenablog.jptamakoro.hatenablog.jp
さて、ラストの単元は「核酸」
いやー、この単元は旧課程時代から存在はしたけど、当時は選択分野だったこともあって、実は僕入試で解いた経験は一度もないんですよね…
模試でも出題された記憶はありません。
昔はそれくらいレアな単元だったんですよね。
で・す・が
このたび新課程になってから、おそらく出題頻度は高くなります!
その根拠は、核酸分野があの"センター試験"で出題されたからです!!
去年のセンター試験最後の設問、こんな問題でした。
というわけで、今後各大学での個別試験でもそれなりの頻度で出題されることが予想されますね。
…さて、それでは解説に入りますが、まず核酸って何でしょうか?
答えは、ざっくり言えば「細胞の核内に存在する酸性物質」ですね。
もともとは、核内に"リン"を多く含む未知の物質があるとして、スイスのフリードリヒ・ミーシャという方が「ヌクレイン」と命名したのがはじまりのようです。
ヌクレインという言葉は知らなくて良いです。
では、核酸の構造を細かく見ていきましょう。
(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/核酸)
wikipediaより引用しましたが、この図はいい具合に端折られてかつ炭素の番号がハイライトされてて、理解するには非常にいいですね。
具体的に見ていくと、真ん中が糖で、左にリン酸基、右に塩基(bace)が付いている構造になっています。
つまり、リン酸・糖・塩基の3つの構造が合わさっているわけですね。
そして、これらをひっくるめて、核酸の一単位を「ヌクレオチド」と呼びます。
もっと噛み砕いた図でみると…
(http://www.mogella.com/dendo/col/index.php?eid=101)
こういうイメージになります。
ここでポイントは2点あって、一つは糖が五炭糖(ペントース)であること、もう一つは塩基には5種類あるということです。
ヌクレオチド内にあるこの五炭糖のことを、「リボース」もしくは「デオキシリボース」といいます。
ちなみに上のwikipedia引用の図は、リボースですね。
この2番目の炭素についているOHがHになると、デオキシリボースになります。
リボースの酸素が一つ外れる=デオキシリボース
というわけですね。
そして、塩基の種類についてですが、
アデニン(A)
グアニン(G)
シトシン(C)
チミン(T)
ウラシル(U)
の5つがあります。
そして、AとT(またはU)、GとCがペアになります。
ウラシルはDNAでは登場せず、RNAでチミンの代わりをします。
(http://www.mogella.com/dendo/col/index.php?eid=101)
さらに、高校化学としてはこの一歩先が大事です。
キーワードは、水素結合です。
結論を言えば、AとTの結合は2個の、GとCの結合は3個の水素結合が存在します。
まあ、細かい構造上のことは一度資料集でもご覧になって確認してもらって、とにかく個数だけでも覚えてください。
覚え方は…あの、野球知ってる人は、G.G.佐藤って選手いたじゃないですか?落球で有名の。
それに掛けて G-C 3個 とかどうでしょうか?
つまらんシャレ言ってスミマセン(^_^;
まあこれで、核酸の基本は押さえたことになるかと思います。
あと残すは、ヌクレオチド同士の結合についてですね。
ヌクレオチド同士は、リン酸基のOHと糖の3番の炭素に付いてるOHとが、縮合重合することで連なります。
大事なところは、炭素の番号ですね。
もう一度、ウィキから引用の図を貼ります。
この図の通り、リン酸基が付いてる炭素は5番なので、「5番と3番が結合する」ことになります。
そして、この結合は当然非対称にあるため、5番の方向を5'側、3番の方向を3'側というように名付けます。
ここまで知っていれば、だいたいどんな問題が来ても大丈夫でしょう。
もっと詳しく学びたい方は、生物の図説を読むことをオススメいたします。
…というわけで、核酸のお話は以上になります。
天然高分子化合物シリーズはこれにて終了。
後半だいぶ筆が重くなってしまいましたが、なんとかやり切れて良かったです。
少しでも読んでくれた皆さんの勉強の参考になったら嬉しいです^_^
そして、次回からはちょっと数学の話をしたいと思います。
それでは、また!
【易しい解説】天然高分子化合物をマスターしよう③ 〜タンパク質〜
どうもこんにちは、タマころです。
天然高分子化合物シリーズ第3弾タンパク質です。
↓第1弾・第2弾の記事はコチラ↓
tamakoro.hatenablog.jptamakoro.hatenablog.jp
いきなりですが、「タンパク質ってなんですか?」と聞かれたらどう答えますか。
「お肉にたくさん含まれているもの」とか?
確かに、人間の三大栄養素の一つに挙げられていて、一つの正解だと思います。
ではなぜ、タンパク質はお肉にたくさん含まれているのでしょう?
それは、お肉は細胞の塊で、その細胞の中にはたくさんタンパク質がいるからですね。
つまり、逆に言えば、細胞が生きていくためにはタンパク質が必要なわけです。
ちょっと話は変わって、古い学説ですが「一遺伝子一酵素説」なるものがあります。
これは、一つの遺伝子は一つの酵素(タンパク質)をコードしているという説です。
この説には例外があったり全部が正しいわけではありませんが、概ねそういうことになっていて、じゃあ遺伝子って人間はいくつ持っているのでしょうか?
Wikipediaによると、2004年の段階で約2万2000個との事です。
となると、ざっくり言って、タンパク質もそれと同じくらい存在することになるわけですね。
もちろん、一つの細胞で全ての遺伝子が発現しているわけではないので、実際に細胞内にあるタンパク質の種類はずっと少ないですが、お肉にタンパク質が豊富なのはよく分かっていただけたかと思います。
…では、高校化学で必要なタンパク質の知識について整理していきましょう!
ペプチド結合
大事なことをまだ言ってませんでしたが、タンパク質の正体は、アミノ酸が連なったものです。
アミノ酸とアミノ酸は、それぞれのアミノ基とカルボキシル基が脱水反応して結合します。
この結合を、一般的には「アミド結合」と言ったりするんですが、今回のようなアミノ酸同士の場合を特別に「ペプチド結合」と呼びます。
(https://ja.m.wikibooks.org/wiki/高等学校化学Ⅱ/糖類とタンパク質)
それで、ペプチド結合で繋がったこの化合物のことを「ペプチド」と言います。そのまんまですね。
アミノ酸2つだったらジペプチド、3つだったらトリペプチドという具合です。
アミノ酸がいっぱい連なったら、それは「ポリペプチド」と呼びます。
そして、何を隠そうこのポリペプチドがすなわち「タンパク質」なわけですね!(全くの同義ではない)
タンパク質の高次構造
タンパク質は20種類のアミノ酸が何千何万と連なったもので、その組み合わせは天文学的な数字になります。
そして、各タンパク質はそれぞれ特有の立体構造をとります。
しかし、その立体構造というのは、非常に複雑なものになります。
そういうわけで、タンパク質では立体構造をいくつか段階に分けて考えることにしています。
具体的には、一次構造・二次構造・三次構造・四次構造の4段階です。
まず、下の図を見てイメージをつけましょう。
(http://blog.livedoor.jp/crazybio/archives/42016577.html)
- 一次構造
一次構造は、そのタンパク質を構成するアミノ酸の配列順序のことです。
うーん、なんか分かりにくいですよねぇ…
一次"構造"と言ってるのにアミノ酸配列の順番なんて、全然構造じゃないぞーという声が聞こえてきそうです。
こういうのは、この言葉がどのように使われるかを知るとスッときたりします。
では、その一例をご紹介します。
まず前提知識ですが、「プリオン」ってご存知ですか?
プリオンは脳にあるタンパク質で、ウシのBSEの原因になるものです。
ヒトにも病気を起こしますが、きっとBSEの方がはるかに身近な存在かと思います。
それで、立体構造のおかしくなった異常プリオン蛋白というのが牛の脳に蓄積することで病気になるわけなんですが、実は異常プリオン蛋白のアミノ酸配列は正常のそれと全く同じなんですよね。
その事実が分かる以前は、「タンパク質の立体構造は、その一次構造により規定される」というのが通説でした。
プリオン蛋白は、上記の説が必ずしも正しくないことを示したわけですね。
…というわけで、こんな感じで一次構造という言葉が使われます。
- 二次構造
二次構造で覚えてほしいのは、αヘリックスとβシートというワードです。
上図の通り、αヘリックスはらせん状で、βシートはまんまシート状の形をしています。
はい、これだけです。次にいきます。
- 三次・四次構造
(http://kusuri-jouhou.com/creature1/protein.html)
三次構造は、ようはタンパク質の立体構造そのものです。一番イメージしやすいですよね。
四次構造は何かと言うと、複数のポリペプチドが集まっているものを指します。
例えばヘモグロビンというタンパク質は、4つのポリペプチドが合わさってはじめて機能を持ちます。
いずれにせよ、あまり細かいことは気にせず、この図の通り理解していただくで良いかと思います。
タンパク質の検出
タンパク質の検出法は、ざっと3つあります。
- ニンヒドリン反応
正確にはアミノ酸の検出法であるが、高校化学ではタンパク質の検出法として載っている。発色は紫系。
- ビウレット反応
ペプチド結合が2個以上(アミノ酸は3個以上)ある時に反応する。色はこちらも紫系。
- キサントプロテイン反応
タンパク質中のベンゼン環を持つアミノ酸と反応して、黄色系に発色する。キサントの"キ"は黄色の"き"と覚えよう。
これだけです。何度か目を通して、それぞれの名前と呈する色を覚えちゃいましょう。
ちょっと面倒なのは、問題文に反応名ではなく試薬の名前とかで出題される時があることですね。
例えば、「水酸化ナトリウム溶液NaOHと少量の硫酸銅(II)水溶液CuSO4を加えたところ、赤紫色に呈色した」とか。
これはビウレット反応を指しています。
この辺り、ピンとくるのは案外難しかったりします。
それぞれの具体的な試薬や反応については、申し訳ありませんがお手持ちの資料をご参照ください。
酵素
酵素とは、触媒として機能するタンパク質のことです。
はじめに登場した一遺伝子一酵素説から想像できるように、酵素にはいっっっっぱい種類があります。
高校化学的には、以下の図の内容と図内に出てくる単語を知っていればだいたい良さそうです。
(https://commons.m.wikimedia.org/wiki/File:酵素基質複合体_模式図.svg#mw-jump-to-license)
あとこの図にないものでは、"基質特異性"というのもキーワードになります。この言葉の意味はだいたい分かりますかね?
短いですが、酵素についてもこれでバッチリかと思います。
…はい!タンパク質について、だいたい分かっていただけたでしょうか。
アミノ酸とタンパク質は、慣れるまではしんどいですが、出題される問題自体は比較的簡単なことが多いです。
なので、一度腑に落ちればこっちのものですね!
それでは、天然高分子シリーズラストとなる次回のテーマは「核酸」です。
お楽しみに^_^
【易しい解説】天然高分子化合物をマスターしよう② 〜アミノ酸編〜
どうもこんにちは、タマころです。
ご無沙汰しておりました。
前回アップしたのはだいぶ前になりますが、天然高分子化合物シリーズ第2弾「アミノ酸編」ということで、勉強していきましょう。
↓前回の記事「糖類編」↓
tamakoro.hatenablog.jp
突然ですが皆さん、学校のクラスメート3,40人の顔と名前覚えていますか?
いつの時でも結構ですけど、やはり直近の高3か高2の頃が一番鮮明ですかね。
再受験生の方とか場合によっては今はもう記憶が薄いかもしれませんが、通学していた当時は余裕で覚えていたかと思います。
むしろ、クラスに顔と名前が一致しない人がいる方がまずいですよね。
というわけで、クラスメートの顔と名前は普通に知ってる、ということで皆さんよろしいでしょうか。
...さて、話は変わって、アミノ酸は何種類あるでしょうか?
はい、20種類ですね。
まず提案なんですが、彼らをクラスメートだと思ってみたらどうでしょう。
たった20人のお友達です。さらに、高校化学ではもっと登場人物は普通少なくて、10人程度でしょうか。
しかもみんな、それなりにキャラも立ってます。
それぞれの身長・体重、誕生日とか知らなくても、顔と名前くらいは一致させられるのではないでしょうか。
アミノ酸に話を置き換えると、「顔」はまさにぱっと見の構造の雰囲気。
「身長・体重」は正確な構造式で、「誕生日」は等電点といったところでしょうか。
例えば、クラスみんなの誕生日なんて、仲のいいやつでない限り正確には覚えていないでしょうが、
だいたい何月だったか?というくらいは把握していることが多いかと思います。
アミノ酸も同じで、大まかな等電点、すなわち酸性か?中性か?塩基性か?を把握していれば良いと思います。
あと、他人の身長・体重の細かい数値を知らないのと一緒で、アミノ酸の構造式も完璧に書ける必要はないかと考えます。
いずれにせよ、それぞれの特徴を捉えることが何より重要です!
では、各々のアミノ酸の性質を、キャラクター分けして理解していきましょう。
アミノ酸の基本構造
そもそも論なんですが、なんで「アミノ酸」って言うんでしょうか?
それは、その構造の中に「アミノ基」と「酸」があるからですね。
酸というのは、具体的にはカルボン酸になります。
(http://www.toho-u.ac.jp/sci/chem/column/amino_acids/amino_acids_2.html)
構造式としては上図のようになっていて、緑の部分を側鎖といいます。
アミノ酸は20種類存在するわけですが、それは側鎖がみんな違うんですね。
各アミノ酸の側鎖が具体的にどんなのかっていうのは、お手持ちの資料集または他サイトをご参照ください。
ここでは、話を簡単にするために割愛させていただきます。
等電点
アミノ酸の大事な性質として、等電点というものがあります。
これは、アミノ酸が陽イオン、双性イオン、陰イオンという3つの形態をとれることで起こる現象です。
まず、なぜ上記3つの形態をとれるかというと、それはアミノ基とカルボキシル基の両方を持っているからです。
(http://www.geocities.jp/don_guri131/02aminosanntotannpakusitu.html)
こんな具合ですね。
アミノ基にH+が付けば陽イオンだし、カルボキシル基のH+が取れれば陰イオン、両方あれば双性イオン、つまり電気的には中性になります。
想像していただくと分かると思いますが、酸性溶液中ではH+が多いので陽イオンが増えます。反対に塩基性溶液中では陰イオンが増えます。
こんな感じで陽イオン、双性イオン、陰イオンの割合が溶液のpHによって変化するわけですが・・・
どこかで 陽イオン濃度=陰イオン濃度 となるpHが存在します。
このpHのことを「等電点」と呼びます。
酸性・中性・塩基性アミノ酸
アミノ酸はぱっと見、名前に"酸"とあるので酸性っぽい雰囲気を醸しだしていますが、例えば側鎖にHだけがついたもの(グリシン)はほぼ中性を示します。
それは、アミノ基の方が塩基性の性質を持つからですね。
それで均衡が保たれてるわけです。
まあでもいろんなやつがいて、酸性を示すやつ、塩基性を示すやつも勿論存在します。
それを以下にまとめました。一応自作です。
こうやって見ると、覚えるのは簡単そうですね。
酸性アミノ酸は、名前の最後に"酸"がつくやつ。
塩基性アミノ酸は、アルギニン・リシン・ヒスチジンの3つで、特にアルギニンとリシンが重要人物です。
そこで、語呂を作ってみました。
塩基性はすなわちアルカリなので…
アルカリ(シン)性
これで完璧ですね。ヒスチジンは余力があれば覚えてください。
あと15種のアミノ酸がありますが、残りのそいつらは中性アミノ酸になります。
あと、等電点なんですが、これは単純で
酸性アミノ酸・・・等電点も酸性
になります。
OH基を持つアミノ酸
一部、特にキャラが立ってるアミノ酸が存在するわけですが、OH基を持っているというのがまさにその一つです。
OH基を持つアミノ酸はたった3つで
まあー、高校化学でこの知識を直接求められることはそこまでないと思うので、特に語呂は用意してないです。
こんなのがあるんだなぁ、程度の理解で良いかと思います。
ただ、生命現象としては非常に重要な要素を担っていて、これらOH基がリン酸化のターゲットになって、タンパク質の活性化に関わってたりします。
発展) チロシンキナーゼ阻害薬(キナーゼ=リン酸化酵素)というのが臨床で使われていて、一部の白血病等に適応がある。これは、染色体転座によりチロシンキナーゼが異常にはたらくことによって発症する疾患に対し、その活性を抑制する目的で用いられる。
硫黄元素を持つアミノ酸
高校化学としてはこっちの方が重要ですね。
硫黄を含むアミノ酸のことをカッコよく
含硫アミノ酸
なんて言ったりもします。
登場人物は2人で
が含硫アミノ酸になります。
これは、硫黄反応というものを起こすことで、よく出題されます。
特に、システインはSH基を持っていて、システイン同士が脱水素反応してSS結合というのを形成するので、わりとキャラが濃いですね。
ベンゼン環を持つアミノ酸
ベンゼン環があると、それだけで強そう(難しそう)に見えますよね。彼らを
芳香族アミノ酸
と言ったりもします。まあ芳香族の方が意味がちょっと広いので、完全に同義ではありませんが。
ここではあくまでベンゼン環ということにして、ベンゼン環を持つアミノ酸は3つあります。
チロシンはさっきOH基の方でも出ましたね。
フェニルアラニンはチロシンにそっくりで、チロシンからOH基を取り除くとフェニルアラニンになります。
名前的にフェニルアラニンにOH基がありそうな気がしてしまいますが、間違わずに覚えましょう(^_^;
トリプトファンは、なんか複雑です。
入試問題で問われることは芳香族アミノ酸だということ以外はないかと。
なにより、ベンゼン環を持つアミノ酸は、「キサントプロテイン反応」というのを起こすことが重要ですね。
見づらいですが字が黄色なのには意味があります。この反応については、次回また触れます。
この3人については、こんなところですかね。
…はい!アミノ酸の勉強は以上です。
そうそう、グリシンくらいは顔と名前を一致させておきましょう。側鎖がHのみで、最も単純なアミノ酸なので。
あとグリシンは、アミノ酸で唯一、光学異性体を持たないことで有名です。
次回は、タンパク質について解説していきます。
お楽しみに^_^
【開設1ヶ月】今後のブログ運営の方針
どうもこんにちは、タマころです。
当ブログは11/4に開設し、おとといで1ヶ月が経ちました!
いやー、我ながら三日坊主に終わらず意外にやれています。
また、このひと月で2000PVを達成する事ができ、想定していた以上の方に読んでいただけて大変うれしく思います。
まあでも、そのうち800PVほどは長崎大のBSL4関連で稼いだものなので、本題の医学部受験でもっと頑張らないといけないですね!
さて今回は、今後のブログ運営の方針についてお知らせします。
まずは、今連載中の天然高分子化合物シリーズを終わらせます。
あと3回ほど続く予定です。
次回のアミノ酸、結構わかりやすい自信があるので、是非楽しみにしてくださいね。
それが終わったら、次は数学の勉強法について、これも連載でお届けしたいと思います。
コンセプトは「数弱からの脱却」です。
数学が"得意"になるのは難しいかもしれませんが、"苦手意識"をなくすことを目標にします。
…しかし最近、病院実習で思いの外時間が取れないので、おそらくここまでで年末を迎えることになるかと思います。
それで、年明けくらいからは、学士編入関係にシフトしていきます。
具体的にどう進めていくのかというと、生命科学の解説講義を日々アップしていきます。
当初の予定では、いきなりパワポで教材を作るつもりでしたが、そうではなく、その内容をブログ上で小出しにしていこうと考えています。
そして、それらの記事を加筆・再編集する形で教材にまとめていく方向になります。
いっぺんに出すより、そうした方が読まれる方々にとっても良いのかなと感じます。
ですが、そうこうしていると、生命科学の内容がまとまるのは年度末になるのではないかと想定しています。
なかなか時間がかかって申し訳ないですが、なんとか来年の編入シーズンには間に合うよう、使ってくださる方には提供したいと考えております。
まあ、あまり需要はないかもしれませんがね…
頑張っていきます。
あと、何か聞きたい事とかある方は、いつでもコメントやツイートいただければと思います。
特にTwitterにDMいただければ、ご質問に対し出来る限り速やかにお返事しますので、些細なことでも何でも聞いてくださいね。
ちょっと最近、更新スピードが落ちてきてしまっていますが、ブロガーとしてはここが踏ん張りどころかな。
今日の話はこんなところです。
今後とも、当ブログをどうぞよろしくお願い致します。
それでは、また!
【易しい解説】天然高分子化合物をマスターしよう① 〜糖類編〜
どうもこんにちは、タマころです。
今回から、医学部受験において肝となる天然高分子化合物について、解説講義を連載形式でお送りしていきます。
予め注意事項ですが、この解説ではわかりやすさを重視するので、正確性は若干損なわれてしまうかもしれません。その点ご了承ください。
さて本日は、この単元で一番はじめに出てくる"糖類"について勉強していきましょう^_^
目次
単糖類
糖類って、別名なんていいますか?
炭水化物
ですよね。
これは、炭(素)と水の化(合)物って意味なので、その一般式は
Cn(H2O)n
となります。
それで、n=5の時を「五炭糖(ペントース)」、n=6の時を「六単糖(ヘキソース)」と呼びますね。
まずペントースは、高校化学では核酸に含まれる「リボース」というのがあります。
発展) ヒトが摂取する糖類は六単糖であるから、そこからCを一つ抜かないと核酸の原料にならない。そのため、糖の代謝(解糖系)の途中脇道に逸れてペントースを合成する「ペントースリン酸回路」なるものが存在する。
入試で出るのは基本、六単糖のほうです。
六単糖には種類がいくつかあって、とりあえず覚えておけばいいのは以下の3つ。
特にグルコースはよく出題され、これくらいは構造式を空で書けるようになった方がいいかもしれませんね。後で一緒に練習しましょう。
それで、こいつらの最も重要な性質は「還元性をもつ」ということでしょう。まずこれだけでも覚えておいてください。
あと次に大事なことは、3つの形態をとれる、ということです。
まず環状と直鎖状という違いがあります。さらに環状がα型とβ型に分かれます。
例えば直鎖状は
(http://www5e.biglobe.ne.jp/~kountei/kagaku38.htm)
こんな感じで、ただ真っ直ぐ並んでます。ポイントは一番上にアルデヒド基があることでしょう。
たがら還元性をもつわけですね。
でもまあ、構造式書けって出題されるのは、だいたい環状の方なんですわ。
というわけで、グルコースの構造式を書いてみよう!
はい、まず六角形を書いて各頂点に縦棒を入れます。このときの注意は右上をOにするのを忘れないことです。
次に左上から書き始めます。上側にCH2OHと書いて、下側にHと書いてください。
そしたら反時計回りに、HとOHの位置が交互に来るように書き加えていきます。最高右端はまだ書かないでください。
ここからがちょっと面倒です。先ほど話したα型とβ型で、HとOHの付き方か変わってきます。
この図の通り、OHが下側に来るのがα型、上側に来るのがβ型になります。
これ、ごっちゃになりやすいんですが、例えばこうやって覚えてください。
この手は、糖の結合を考える上で大事なOH基を表しています。
それぞれに1, 4と数字が振っておりますね。これは炭素の番号で、単純に右端から時計回りに1,2,3,4,5,6となってます。
この絵では、彼の左手が1番、右手が4番の炭素ということになります。
それで、また後で出てくるんですが、αグルコースが連なると「デンプン」で、βグルコースが連なると「セルロース」になるんですよ。
それを知った上で…
となるのは容易に想像できるので、どっちがαがβかは間違えなくなります。
あと細かいことをいえば、フルクトースだけケトン基を持っていてちょい仲間外れなんですが、ひとまずスルーしてOKです。
いずれにしても、皆さん還元性があります。
二糖類
二糖類はその名の通り単糖が二個くっついたもので、
の4つがあります。
基本、グルコース+何か、という組み合わせです。
これはエーテル結合でくっついているのですが、この糖同士のエーテル結合を特別に「グリコシド結合」と呼びます。
1番の炭素と4番の炭素につくOHが結合したとすると、「1,4-グリコシド結合」なんて言ったりもします。
さて、上記の覚え方としては、「グルグル丸(マル)くなる」という語呂でマルトースを覚えて、βグルコースが連なってセルロースになることを知っておけばセロビオースはOKで("ビ"は2という意味)、ラクトースはガラクトースの"ガ"が取れただけ、残った組み合わせのフルクトースがスクロールになる で完璧ですね。
それで、絶対に知っておかなきゃいけないのは、一人仲間外れがいることです。
それは、スクロースだけ還元性をもたないということです。
還元性をもつためには、片方の糖の1番(フルクトースは2番)の炭素がヒマになってなきゃあかんのですが、スクロースではどちらもその部分が結合してしまっているのです!
(http://keirinkan.com/kori/kori_chemistry/kori_chemistry_2/contents/ch-2/3-bu/3-1-1.htm)
構造式で見ると、こんな感じです。
この通り、還元性を示せる部分が両方とも埋まっちゃってるんですよね…
他のやつらは、ペアの片方の一番の炭素が空いてるんで、そこで還元性を示せます。
はい、これで二糖類はだいたいOKです!
多糖類
こいつらのことですね。
上のαグルコースが連なったものを、ザックリと「デンプン」、細かく言うと「アミロース」または「アミロペクチン」と言います。
下のβグルコースが交互にひっくり返って連なったものを「セルロース」と言います。
「アミロース」と「アミロペクチン」の違いは大丈夫ですかね?
「アミロペクチン」の方が1,6-グリコシド結合(下図)が多くて、粘性が強いです。もち米の主成分になります。
そして「セルロース」は、植物の細胞壁を構成してますね。
なお両方とも、還元性は示しません。
発展) デンプンはαグリコシド結合、セルロースはβグリコシド結合しており、ヒトはαグリコシド結合を切断する酵素を持っているが、βグリコシド結合は切断できないため、野菜を食べてもセルロースは分解・吸収されず腸管内に留まる。これが腸管側の浸透圧上昇に寄与し、結果便通が良くなる。
ということで、多糖類は知識的にそこまでしんどくないのですが、計算問題でややこしいのが時折出題されます。
これについては、問題集で対応してもらうしかありません。が、最悪よく分からないままでも構わない気もします。
苦手意識を強く持つくらいなら、そこはサッパリ諦めて、他の箇所で頑張れば良いのですよ。
そうそう、あとデンプンには「ヨウ素デンプン反応」という、紫色に呈色する反応がありますね。
これは、デンプンのらせん構造の中にヨウ素がトラップされることで色が着くそうです。
デンプンの種類によって若干色が変わるのですが、ひとまずこの反応の存在をしっかりと意識しましょう。
…はい、今日のお勉強は以上になります。
いかがでしたか?
天然高分子って、思った以上に簡単でしょう!?
次回はアミノ酸について解説します!
乞うご期待を^_^