再受験・学士編入で医学部を目指そう

20代後半、男。医師・獣医師。 医学部受験情報の発信や編入向けの生命科学の解説をしていきます。2018年3月31日より医学部編入受験生のためのウェブサイトMediTransを立ち上げましたhttps://www.meditrans.solutions

【物理 レベル別】医学部受験のための参考書レビュー

どうもこんにちは、タマころです。

今日は物理の参考書レビューです。数学のときと同様レベル別に分けてご紹介していきます。


参考)数学と化学の参考書レビュー記事↓
tamakoro.hatenablog.jp tamakoro.hatenablog.jp




目次


偏差値40〜50の人向け

物理という教科の性質上、ただ公式を覚えてそれを当てはめるという勉強をしても、成績はなかなか伸びません。

何よりも大事なのは、対象となる物理現象の大筋を理解した上で、それを数式で表した場合どうなるか、ということを分かっているかですね。


もし演習もある程度しているのに、このクラスから抜け出せないんだったら、是非とも読み物系の参考書を読まれることをおススメします。

例えばこれ…

「宇宙一わかりやすい」とか若干バカっぽい(失礼…)タイトルなんですが、案外悪くないですよ。

本の趣旨はハッキリしてますし、分厚くはありますが絵も多くて、確かにわかりやすいです。


これを何度も読んで、それなりに理解できるようになってきたら、問題に取り組んだら良いかと思います。


問題演習は、学校で配られたやつの基本例題あたりを解きましょう。


偏差値50〜60の人向け

このあたりでウロウロしている人は、殻を破るためにも一度物理をどれだけ理解しているのかを見直す必要があるかと思います。

高校物理の範囲を、いま一度体系立てて学ぶ機会を作ってください。

そういう方には、最高にありきたりで申し訳ないですが、やはり「物理エッセンス」シリーズがぴったりです。
全くひねりがないですが、結局王道を行くのが一番の近道だったりします。


そして問題集はというと、まあ学校の問題集で十分なのですが、もっと絞ったものがやりやすいという方もいるでしょう。

そういう方には「物理基礎問題精講」がおススメです。

問題収録数が105問とそんなに多くないので、例えば1日3問ずつこなせば35日で一周できる計算になります。

このレベルの問題を一通りこなせるようになれば、次のステップに進めることでしょう。


偏差値60〜70の人向け

このクラスであれば、基本的には物理は得意なはずなので、あとはしっかりと経験を積むことが大事になります。

また、経験の積み方も大事で、高いレベルの良問に触れると当然効率が良いです。

王道をいけば「物理重要問題集」、これをやるのがいいでしょう。

網羅型で無味乾燥な参考書なので少々退屈なのですが、まあ修行だと思ってちょっと頑張ってみると、成績が伸びていくのが実感できるはずです。


あとは、「物理エッセンス」の流れを汲むなら「名問の森」を使うのもありです。

こちらの方が一問一問が重たく、より選りすぐりの良問が集まっています。

しかし、収録されている問題数が少ないので網羅性は薄くなりますね。


偏差値70〜の人向け

ここまで来た人は、数学と同様基本的には過去問を解けばいいと思います。

ただ、物理が難しい大学を受ける場合、模試で点が取れても過去問が全然解けないってこともありますよね。

そういう時は、やはりワンランク上の問題集に手をつける必要があると思います。

とはいえ、"難系"と略される「難問題の系統とその解き方」駿台「物理入門問題演習」河合塾「理論物理への道標」は、大学受験にはオーバーワークな気もするので、自分のレベルや志望校に応じて慎重に選びましょう。

上記3タイトルを除いて考えると、例えば「漆原晃の物理 解法研究」なんかも良いと思います。

ちょっとゆとり臭の感じる、大きすぎる文字には若干の抵抗がありますが、収録されている問題のレベルは申し分ないです。

最後にもう少しレベルアップしたいけど、あまり問題を多く解く時間がないなんて人にはうってつけだと思います。




…さて、いかがだったでしょうか?

ほとんどがよくある意外性のないものだったかもしれませんが、それだけ物理の勉強には邪道がないといえるかもしれませんね。

それでは、今日はこの辺で!

【数学 レベル別】医学部受験のための参考書レビュー

参考)物理と化学の参考書レビュー記事↓
tamakoro.hatenablog.jp tamakoro.hatenablog.jp



僕は以前の記事で…

tamakoro.hatenablog.jp

参考書というものについて、

"実際に本屋に出向いて立ち読みして吟味して、それで使う参考書を決めてほしいんですよね"

と述べました。amazonレビューは参考程度に、と。

でもやっぱり、みんなが良いと言っているものは大抵自分にとっても良いのも事実で、他人の受け売りに素直に従うというのもありですね。


というわけで、数学のおススメ参考書をご紹介していきます!偏差値ランクで区切って話を進めます。


目次


偏差値40〜50の人向け

このレベルの人は、要は数学が苦手なわけなんですよね。

だいたいよく言われる話として、「白or黄チャートでも2周くらいしてー」というのが定番ですが、チャート式って続けられます?
数学が嫌いじゃなかった僕ですら続かなかったんだから、苦手な人には相当苦痛でしょう!

てか、僕はいずれのレベルであっても基本チャート式反対派です。あんなの日本だから流行るんだと思うよ。

いやまぁ家庭教師等の教材としては使いますが、独学でやっている人にはあまりおススメできません。

じゃあ、どんな参考書を使えば良いかなんですが、例えばマセマ社の「初めから始める数学」シリーズとかですかね。



とはいえ…参考書うんぬんよりは、苦手意識をどう改善するかという方がよっぽど重要かもしれません。

偏差値50〜60の人向け

この偏差値帯にはいろんなパターンの人がいると思います。
ただ勉強不足の人、苦手なんだけど頑張ってここまで上げた人、一部の分野が不得意で模試を受けるとこのくらいの偏差値になっちゃう人。

それぞれでやるべきことは変わってくると思います。


あとは、例えば根本の計算があんまりできてない方とかもいますよね。そういう方には、「合格る計算」シリーズなんてどうでしょう。
合格るで"うかる"と読ませるあたり、タイトルからして工夫しとるなって感じますね。

一言でいえばこの本は、「数学ができる人は普通に(自然に)こんな計算法で解いてるんだよ。」ということを手取り足取り教えてくれます。


次に網羅系の問題集ですと、だいたい数学って使用者のレベルに対して難しすぎる問題集使っている場合がほとんどなんで、あくまで易しめのものが良いと思います。

例えば、「基礎問題精講」とか。一つ上に標準問題精講ってのがありますけど、この偏差値帯の人なら「基礎~」の方で十分なんじゃないかと思います。

ただこの「ホニャララ問題精講」シリーズって一つ難点があって、他の物理とか化学とかのやつとパッと見おんなじ表紙で、遠目で見て違いが分からないところがちょっとね。

偏差値60〜70の人向け

まだ少し物足りないけど、数学分かってきたかな?っていうランクですかね。

そう、数学が分かってきているこの偏差値帯のキミは、是非良問をガンガン解いてください。

良問…と聞いて思いつくのは、タイトルにそう書いてある良問プラチカなんてありますね。

まあ、この本は悪くはないんですが、ちょっとチャート式臭がしますよね。ちなみに、僕は当時挫折しました。

最近の流行でいくと、もう「一対一の対応」シリーズの一人勝ちでしょう。



僕の大好きな東京出版が出している、選りすぐりの良問を集めた難しめの参考書。
国公立医学部を目指す生徒には、必ずやらせてます。正直、これ以外の選択肢がほぼない。

偏差値70〜の人向け

ここまで来た人は、もう好きにやっちゃってください。

このレベルの参考書も河合塾の「やさしい理系数学」とかいろいろありますが、まあ基本的には志望校の過去問を解き始めるで良いかと思います。


もっと高みを目指したければ、そんな時は月刊「大学への数学に手を出したらよろしいかと思います。

僕の現役時代のバイブルです。毎月毎月、一番後ろのページにある学力コンテストの問題を解いて、出版社に送ってました。
いい思い出です。これは本当に数学力が付くので、他教科との兼ね合いでまあまあ余裕のある人は、チャレンジしてみては?



さて、数学ランク別参考書レビュー、以上になります!
いかがだったでしょうか。少しは参考になりましたか?

もしよかったら、過去記事とかも見てくれたら嬉しいです!

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【化学 分野別】医学部受験のための参考書レビュー


どうもこんにちは、タマころです。

ここ数日、BSL4関連のことばかりで本筋の方が滞っておりましたが、本日よりまた受験関係の話に戻ります。


てなわけで今回は、化学の参考書レビュー!


数学・物理と"レベル別"でご紹介していきましたが、今回は"分野別"にわけて話を進めていきます。

その理由は、化学は参考書が分野ごとに分かれていることが多いからです。

もちろん、網羅型問題集は全分野載ってますから、そこは「問題集」として別の項目に括ってご紹介します。


参考) 数学・物理の参考書レビュー記事↓
tamakoro.hatenablog.jp
tamakoro.hatenablog.jp





目次


1. 理論化学

化学という教科における、僕の持論は

「理論化学を制するものが化学を制す」

です。

なので、化学ができるようになりたい方は、まず理論化学をしっかりと仕上げましょう。

それで参考書選びとしては、とりあえず苦手だなーって人はコレ。

僕は岡野さんの本好きですね。

分野によってそこまでムラがなく、全体的に丁寧でわかりやすい印象があります。

もちろん、これだけでは難関大には対応しきれないかもしれませんが、ひとまずこの本が一通り分かれば、次に手にすべき参考書を自分で決められる力が付いてるかと思います。


ただ、理論化学で大事なのは「理解」だけではありません。
「計算力」というのもかなり大きなウエイトを占めますよね。

そこで、これ。個人的にはかなりおススメ、しかもブログとかで紹介してる人少ないんじゃないかな。

難関大受験者のバイブル「化学の新研究」の著者 卜部さんの書かれた本です。

この先生って、結構好みが分かれるので合わない人は合わないのかもしれませんが、内容としては申し分ないと思います。

シグマベストだし微妙かなぁと思ってパラパラ見てみると、おお!こういうのを求めてたんだよ!となりました。

計算の過程を丁寧に示してくれています。


理論化学の計算力を効率よく身に付けたい方にはぴったりな一冊です。


2. 無機化学

鬼門、無機化学
大学で化学科にでも進んだ人でない限り、講師として面白おかしく教えるのは難しい分野。

僕が家庭教師で教える時は、早々に以下の参考書を紹介しちゃいます。

これ買って読んで勉強してね〜って。


というわけで、僕も含めて苦手な人って多いかと思います。

基本的には語呂合わせとか駆使して暗記してしまうのがよろしいかと思います。

僕のおススメはこの2冊。


岡野さんの方がより初歩的でセンターレベルくらいまで。
福間さんの方は、基本的には難関国立大学でも対応できるかと思います。

どっちもわかりやすい、覚えやすい良書ですね。


あとはこれに加えて、資料集を読んで色を視覚的に覚えましょう(これ意外と大事)。


3. 有機化学

まず初歩向けでは、先ほど無機でも挙げた岡野さんの本ですね。

あとは、福間さんのと同じシリーズの…

今度は鎌田さんという方の書いた本。

これは普通にわかりやすいと思います。レベル的にも無難だし、割と詳しいことも載せてくれてて、いろいろ勉強になります。


あと、これは発展的ですが、有機を理論的に理解したいという方には…

でました、我らのバイブル「化学の新研究」

暗記に頼らず有機化学を修得したいならば、この本はかなり理解の助けになります。


4. 問題集・その他

こちらはレベル別に紹介していきます。


まず初学者の方は、本当はセミナー化学のような学校用問題集を誰かに教わりながら解き進めるのが理想です。

でもそれができない場合、強いていえばこれですかね。

化学基礎問題精講

これは問題数が少なめで、続きやすい気がしますね。


次のステップとしては…

これは網羅性が高く、難易度も簡単なものから難しいものまであります。

ただ全体としては、決して簡単な部類に入るわけではないので、しっかりと基礎力を付けてからこれに入るのをおススメしますね。

ここに載っている問題をだいたい解けるようになれば、化学の偏差値は65ほどいくのではないかと思います。


そして、偏差値60〜65付近の人たちは、もうこれ。
はい、定番の重要問題集

無味乾燥なレイアウトなのが玉に瑕ですが、やはりやれば実力は付きます。

東大・京大でなければ、これ以上難しい問題集をやる必要はないでしょう。


基本的にはここまでくれば、あとは過去問演習をして完成です。



さて、最後に「その他」ですが、一つだけご紹介します。

その名も、化学一問一答

ひたすら問いと答えが小さい字で書き連ねてあって、中にはかなりマニアックな事項も載ってます。

まあこれは、私大医学部専願者向けかなと思ってます。
私大医学部を受けるにあたり化学で勝負しようと考えている方は、是非これで細かい知識を詰めていきましょう。

反対に、国公立志望にとっては必要性の薄い本ですね。




…さて、化学の参考書レビューは以上になります!

少しでも皆様の参考になったら嬉しいです。


化学は分かってくれば、一気に伸びてくる教科だと思うので、序盤の勉強法は重要です
なかなか伸びない人は、一度基礎に立ち返って勉強してみることをおススメします。


最後まで読んでいただきありがとうございました^_^
それでは、また!

【お詫びと訂正】長崎大 BSL4設置関連の記事に不適切な表現がありました

どうもこんにちは、タマころです。

以前、長崎大学にBSL4が設置されるというニュースに関して、2つ記事を書かせていただきましたが…


tamakoro.hatenablog.jp
tamakoro.hatenablog.jp


ありがたいことに反響が大きく、僕のブログとしては比較的多くの方に読んでいただいて、大変うれしく思います。

ただ、読まれた方の一人から、これらの記事内にあまり適切でない表現があるとのご指摘いただいたので、ここにお知らせいたします。

少々軽率な箇所があったのは事実ですので、その点この場を借りてお詫び申し上げます。


該当記事の方はすでに修正済みです。




それでは、具体的にどの箇所が不適切だったかといいますと…



まず、前者の記事において

BSLは1〜4までの4段階のレベルがあって、4が最強、つまり最も危険です。

と述べましたが、正しくは

「BSLは1〜4までの4段階のレベルがあって、4が最強、つまり最も安全対策を施した施設になります。

BSL4は、病原性の高い言わば"危険"な病原体を扱うのは事実ですが、施設としては最も安全性に考慮した建物になりますので。

これは誤解を招く表現でした。同じように考えていた方は、是非これを機会に認識を改めていただくとありがたいです。



あともう一つは、後者の記事において

次に、東大医科研、京大ウイルス研、阪大微研、この3施設ですが、お察しの通り都心にありすぎますよね。

それこそ、感染研の二の舞になってしまいます。作ったところで永遠に稼動できない。


あと残ったのは北大人獣センターと長大熱研ですが、ちょっと言い方悪いですが、どちらも都市レベルとしては悪くないかと思います。

でも、今回のBSL4の設置が検討され始めたのが2006年で、人獣センターができたのが2005年。

当時実績のなかった人獣センターは候補になり得ないでしょうから、そうすると長大熱研で決まり、となります。

こちらは事実無根で、本当にただの僕の妄想でした。

都心か否か、ということはあまり関係なく、長崎大に設置が決まった主な理由としては
 
1.古くから実績のある熱帯医学研究所がある。
2.医学部に感染症を専門とする医療関係者が多く、附属病院に第一種感染症病棟がある。

の2点が大きいとのことです。


もちろん、これら以外にも様々な要素や思惑があるので、端的に言い表せるものではありませんが、ともかく「長崎は都心じゃないからいい」というようなネガティブな理由ではないということは強調しておきます。



以上2点、皆様が長崎大でのBSL4設置に関してより正しい見識を持てますよう、訂正記事を書かせていただきました。

ちょっとお堅い感じになってしまいましたが、裏付けのある正しい情報をお伝えするという点では、非常に有意義なものになったかと思います。


それでは、次回こそは受験関係の話に戻ります。
当分は化学ネタでいく予定です。

今後とも、タマころのブログをよろしくお願いします。

【BSL4設置】なぜ長崎だったのか?(訂正あり)


*2016/11/28 一部不適切な表現を訂正


どうもこんにちは、タマころです。


前回のBSL4の記事が思いのほかたくさんRTされて、とても嬉しく思います。ありがとうございます。

tamakoro.hatenablog.jp

これをきっかけに、いろいろ市民の声(ツイート)を眺めてみると、なぜ長崎なんだ?という意見が多く見受けられました。


確かに、これは明確な説明がほしい。


実は、そこまでちゃんと報道されてないだけで、もう市や大学からこれまでの経緯が話されているかもしれませんが…


てなわけで以下、僕の予想を書きます。そんなに外れてはないと思うので、気になる方は続きを読んでください。




さて、僕が考えるに、これは日本のウイルス研究の勢力図のようなものを少しでも知っていれば、自然な流れだと感じとれるのではないかと思います。


まず、日本国内で有名な感染症の研究所は、どこが挙げられるでしょうか?

北から北大人獣センター、東大医科研、国立感染研、京大ウイルス研、阪大微研、長大熱研、あたりになろうかと思います。

もちろん他にも多数ありますが、BSL4を設置できるというレベルでは上記6箇所が妥当でしょう。


なので、これらの施設から選ぶとします。


まず、感染研はもうBSL4ありますね。除外。


次に、東大医科研、京大ウイルス研、阪大微研、この3施設ですが、お察しの通り都心にありすぎますよね。

それこそ、感染研の二の舞になってしまいます。作ったところで永遠に稼動できない。


あと残ったのは北大人獣センター長大熱研ですが、ちょっと言い方悪いですが、どちらも都市レベルとしては悪くないかと思います。

でも、今回のBSL4の設置が検討され始めたのが2006年で、人獣センターができたのが2005年。

当時実績のなかった人獣センターは候補になり得ないでしょうから、そうすると長大熱研で決まり、となります。


おそらく実際は、規模の小さい他研究所も含めてもっと細かく議論されたのでしょうが、大まかには上記の理由だろうと想像します。


*訂正:ここは本当に、ただの僕の妄想でしかありませんでした。都心か否か、ということはあまり関係なく、長崎大に設置が決まったメインの理由としては
 
 1.古くから実績のある熱帯医学研究所がある。
 2.医学部に感染症を専門とする医療関係者が多く、附属病院に第一種感染症病棟がある。

の2点が大きいとのことです。


BSL4を作るなら、BSL4を使える研究者がそこに居なきゃいけないわけで、そんな人は日本のそこら中には転がってません。

これまでの熱研の持つノウハウなら、BSL4を運営していける、そう踏んでのことではないでしょうか。


まあとは言っても、結局頓挫してしまうかもしれませんし、今は静かに見守っていきましょう。


最後に、僕の個人的な感情としては、BSL4で実験してみたいという好奇心はありますが、日常的にはしたくないです。

なぜなら、防護スーツの着脱がメチャ大変だし、記録とかも細かく残さなきゃいけなくて実験がすごく面倒くさいからです。



はい、今日は以上になります。
意見・質問ありましたら、何でもコメント、ツイートくださいね!

それでは、また。
タマころ@医学部再受験・編入応援 (@tamakoro1k) | Twitter

【BSL3経験者による解説】日本・長崎におけるBSL4施設の設置について(訂正あり)


*2016/11/28 一部不適切な表現を訂正


どうもこんにちは、タマころです。

今日は受験とは関係ないお話です。


今朝Yahoo!ニュースを見ていると、以下のようなニュースを見つけました。

headlines.yahoo.co.jp


長崎大でBSL4施設の設置合意


BSL3で実験したことのある身としては、個人的にビッグニュースです。



まずそもそも、BSL4施設って何でしょうか?


BSLは Biosafty Level の略で、危険な病原体を扱う際の安全指針のようなものです。

BSLは1〜4までの4段階のレベルがあって、4が最強、つまり最も危険です。

*訂正:BSL4は「最も危険な施設」ではなく、正しくは「最も安全対策を施した施設」です。病原性の高い言わば"危険"な病原体を扱うのは事実ですが、施設としては最も安全性に考慮した建物になります。


そんなレベル4では、エボラウイルスBウイルスなど、感染したらほぼ確実に死に至るような病原体9種を扱うことができます。


いろいろ言葉で説明してもわかりづらいので、今回の主役である長崎大のホームページにいい感じの図解があったので、それを拝借いたします。
(http://www.nagasaki-u.ac.jp/ja/bsl4/about/)


まあ、この図の通りでございます。


さて今回の一件は、国内でのエボラ研究を見越してのことだろう想像します。

このご時世ですからね。



次に、具体的にどんな安全対策をしているのかという点ですが、以下Wikipediaの記載を引用します。

最高度安全実験施設である。レベル3に加えて、レベル4の実験室は他の施設から完全に隔離され、詳細な実験室の運用マニュアルが装備される。

(レベル3に加えて)

  • クラスIII安全キャビネットを使用しなければならない。
  • 通り抜け式オートクレーブを設置する。
  • シャワー室を設置する。
  • 実験室からの排気は高性能フィルターで2段浄化する。
  • 防護服未着用での入室を禁ずる。


と言われても、なかなか実感が湧かないと思うので、写真も貼り付けます。
こちらも同じく長崎大からお借りしました。


すごいですよね。
ほんと、宇宙服みたい。

実際、かなり細かい規制があって、施設を作るのも大変だし、それを運営していくのも本当に骨が折れることだと思います。


BSL4の解説としては以上になります。




さて、今度はBSL3で実験した経験のある僕の、このニュースに対する意見を簡単に述べます。


まず賛成か反対かですが、ウイルス研究者としては賛成と言わざるをえません。

海外でしか研究できなかったことが、国内でもできるようになるのは、非常にいい事です。


反対派からは、じゃあお前施設の近くで住めんのか!という文句が来そうですが、そうですね、別に僕は住めます。

てか、BSL4で日々実験するなら、通える距離に住んでないとできませんからね。



ただ、実情の分からない住民の方々の心中もお察しします。

正直言って、不気味ですよね。

どんなに安全だと言い張っても、襲撃されるかもしれないし、災害が起きて倒壊するかもしれないし、ウイルスを持ち出す内通者がいるかも分からない。

確かにそのリスクはゼロにはできない。
その施設の近くに住む以上、その危険性からは逃れられないですね。


ましてや、原爆を落とされた長崎でそれやるかって感じですよね。

僕もそれは思います。
実際、原爆記念館と長崎大学医学部が歩ける距離でびっくりしました。



…でもですね、一つ言いたいことがあります。

長崎大の熱研というのは、本当に世界に誇れる素晴らしい研究所です。

そこでBSL4を稼働させるのは、リスクよりもベネフィットが優に上回るのではないかと僕は考えます。

反対派の方々には、怖い思いをさせて本当に申し訳なく思いますが、有事の際に被害を最小限に抑えられるよう、やれるうちに研究をするというのが大切なのです!

ご理解いただけますよう、よろしくお願い致します。




…さて、今日の話は以上です。
BSL3経験者による日本におけるBSL4施設の設置についての解説、でした!!

それでは、また。

【見るだけ損】タマころの学士編入合格体験記

は、書きません。はい。

タイトルの【見るだけ損】ってのはそういう意味です。
スミマセン…



以下、ではなぜ僕は体験談を書かないのか、ということについてお話します。


まず、"大学受験"の方の体験記、実は僕ブログの開設当初に書いてるんですよ。

まあ、あれは記事数稼ぎな側面が強くて、晴れて100記事でも突破したら削除する予定です。(削除済み!



それで、編入の体験記を書かない理由ですが…


まず一つは、合格体験記型のブログがすでに世の中にあふれているからです。

事実、「医学部 学士編入 ブログ」とか、「医学部 学士編入 大学名」とかでググっても、ほぼすべて合格体験記型のものが引っかかってきます。

学士編入で受かるのは世の中的には非常に珍しいため、個人の体験談がウケるのは理解できるのですが…
もうちょっと全体を俯瞰して見たようなブログも欲しいなと僕は受験生当時から思ってました。

それで今こうやって自分で始めたわけですが。


合格体験記型だと、どうしても自分が体験したこと、つまり自分のバックグラウンドだったり自分の勉強環境だったり自分の受験校だったり、にしかアンサーできないんですよね。当然なんですが。

まあたしかに、受けたことのある大学の情報を他者に教えるというのは非常に有意義なことだと思うんですが、その前段階の、日々の勉強という点ではどうなんだろう?と感じるんですよね。

学士編入の場合、バックグラウンドや環境は人によって本当に多様なので、ブログの著者とその読者との事情がマッチングすることって、ほぼ皆無なのではないかと思われます。

だから、僕の体験談も、きっと誰の役にも立たないので、あえて言いません。



それで、もう一つの理由が、上の内容に通ずるのですが、ようは僕は比較的すんなり受かっちゃったんですよね(^^;

獣医卒というバックグラウンドで、試験自体も割と運が良く、自分の得意分野が出たりしたので。

なので本当に参考になりませんし、書くネタもそんなにありません。


ただ一つ、勘違いしないでいただきたいのは、僕だって決してラクだったわけではないということです。

当時は朝9時から夜日付変わるかどうかという時間まで研究室で実験して、ほぼ土日にまとめて勉強する(その土日も軽めに実験していた)という生活で、かなり苦しかったです。

正直、試験当日まで対策は不十分でした

それでも受かったのは、運が良かったからだと自分では思ってます。


…でも、その後何人か編入したいという相談を受けたり、実際に密にアドバイスしたりして、僕は編入試験全体に対して造形を深めていきました


もちろん、それでも経験はまだまだ浅いです。


当分は、地道にこうやって記事を更新していくことしかできませんが、もっとノウハウを蓄積して、将来的には安価で本当に使える情報を皆さんに提供できるようになりたいです

安価…まあ当分お金なんて取りようがないのでタダでしょうが。


というわけで、僕は自身の合格体験記をブログ上で語ることは今後もありません。

でもそれは、僕の受験経験のある大学の情報を全く提示しないというわけではありません。

直接Twitterヤフーメールにご相談いただければ、過去問の配布等お手伝いできることがあるかもしれないので、遠慮なく連絡ください(^^


それでは、今日はこの辺で。
http://twitter.com/tamakoro1k